AlcatelとLucent Technologiesの株主は米国時間9月7日、AlcatelによるLucent買収を承認した。Alcatelが110億ドルを投じる今回の買収により、両社は計画中の整理統合に向けた課題をまた1つクリアする。
今回の買収は、有線および無線の両電話サービスを巡って長年競争を繰り広げてきた2社のライバル同士の対等合併だといわれている。両社は3月にこの合併を発表していた。
そこには、通信サービスプロバイダー各社間でも再編が進んでいるという事情がある。2005年には、地域電話会社のSBC Communicationsが長距離電話通信会社のAT&Tを買収し、Verizon CommunicationsもMCIを買収した。さらに、新生AT&TもBellSouth買収を進めている。
携帯電話事業者各社も買収を繰り広げている。CingularはAT&T Wirelessの資産を買収し、SprintとNextelも合併した。このような業界再編の結果、通信関連機器を購入する顧客が減少し、機器のサプライヤーには合併や再編に向けた圧力がかかっている。
同時に、機器メーカーのAlcatelやLucentなども、中国を中心とするアジア各国の低価格製品サプライヤーとの激しい競争にさらされている。
従来、フランスに本社を置くAlcatelは欧州の通信事業者各社と強力な関係を持っており、米国に本社を置くLucentは北米の電話通信事業者各社との結びつきが強い。両社は、それぞれのビジネスを組み合わせることで、欧米両大陸の顧客に対応できるようになるほか、アジアにおける経営効率も改善できるようになる、との考えだ。Alcatelの試算では、今回の合併は3年で約17億ドルのコスト削減につながるという。
Lucentの最高経営責任者(CEO)、Patricia Russo氏は合併後の会社にそのままトップとして残り、Alcatelの会長兼CEO、Serge Tchuruk氏は、合併後の会社の非常勤社長に就任する。合併は年末までに完了する見通し。
Alcatelは先ごろ、やはり通信機器で競合するNortel Networksからワイヤレス関連の資産を買収することも発表した。
Tchuruk氏は声明のなかで、「Nortelの一部資産の買収や、Thalesとの提携拡大によって強化される攻撃的な戦略は、株主にとってのAlcatelの価値拡大、顧客への幅広い製品ラインアップの提供、そして社員への素晴らしい機会の提供を目指している。われわれには、これら3つの戦略的措置を、必要な承認をすべて得られる年末までに完了できる自信がある」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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