IntelとDIRECTVは、米国時間9月26日開催のIntel Developer Forum(IDF)の席上で、Intelの家庭向けメディアテクノロジ「Viiv」を搭載した新型セットトップボックスの発売準備が整いつつあることを発表した。これは両社にとって初の共同開発製品となる。
このセットトップボックスはハードウェアとソフトウェアで構成され、Viiv搭載PCに接続すると、テレビでインターネットのコンテンツにアクセスが可能になる。この新製品「DIRECTV Plus HD DVR」は、2006年第4四半期からDIRECTV加入者向けに提供される。また、すべての機能を利用するのに必要なソフトウェアは、DIRECTV経由で12月からダウンロード可能になる予定だ。
PC業界はPCを職場から家庭のリビングルームに持ち込もうと努力しているが、その道は廊下を歩くように簡単ではない。IntelとパートナーのPC業界各社は、PCをデジタルリビングルームの中心に据えるという未来像をかなり前から語ってきた。このコンセプトに沿ってハードウェア、ソフトウェア、それにウェブサイトが開発されたものの、今のところ消費者が喜んで利用するまでには至っていない。
デジタルリビングルーム化の最新の試みとして、IntelはViivという名称でブランドを展開している。これはハードとソフトを組み合わせ、PCを使ってインターネットからダウンロードした専用コンテンツをテレビで視聴可能にするというものだ。Viiv PCにはIntelが仕様を定めた部品が搭載されているため、Intelによれば、あらゆる専用コンテンツをPCやテレビの間でやり取りできるだけの性能が保証されているという。
ところが実際には、ことはそう簡単ではない。Viiv搭載PCをテレビに接続するには、ユーザーはViiv搭載PCで利用できると認定されたデジタルメディアアダプタを用意する必要がある。Intelとパートナー各社は2006年初めにViiv搭載PCの発売を開始したが、実際にPCとテレビの間でコンテンツのやり取りを可能にするソフトウェアは、6月まで提供されなかった。また、そのソフトウェアがインストールされ、なおかつViiv搭載PCで利用できると認定されたデジタルメディアアダプタを販売しているのは、現時点ではNETGEAR1社だけだ。それ以外の企業については2006年末までにデジタルメディアアダプタを発売する見込みだと、Intelの社長兼最高経営責任者(CEO)のPaul S. Otellini氏は述べている。
一方、調査会社NPD TechworldのアナリストStephen Baker氏は、デジタルメディアアダプタをセットトップボックスと一体化すれば、設定の手間が1つ省かれるため、インターネット上の動画をテレビで再生しようと考える消費者にとっては便利になると指摘する。しかし、このような機器を消費者が受け入れるかどうかはわからず、本格的にインターネット経由でコンテンツにアクセスする体制が整った時点で、どのような機器が好まれるかは全くわからないとBaker氏は言う。
例えば、今回のDIRECTV Plus HD DVRはワイヤレス通信機能を備えていない。そのため、ユーザーはPCとテレビをケーブルで接続するか、セットトップボックスをワイヤレスアダプタに接続しなければならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス