IntelのViiv技術が搭載されたPCをいち早く導入したユーザーは、自分の新しいコンピュータがふつうのPCとどう違うのかを理解するのに苦労している。
Viivは、Intelが思い描くデジタルホームのビジョンの中核となっているものだが、このビジョンのなかでは、動画ファイルや音楽ファイルを、PCやテレビ、携帯型プレイヤーの間でシームレスにやりとりする姿が想定されている。そして、同社の宣伝文句によると、Viivブランドを冠したPCは、消費者向けのデジタルメディアの世界の中心に位置し、映画をダウンロードして家中のテレビに送信するような洗練されたデザインの製品になるという。同社は、2005年のIntel Developer ForumでViiv戦略を正式発表し、2006年1月には有名スターをそろえた発表会を開催して、この戦略を派手に宣伝した。
ところが残念なことに、数週間前から登場し始めたViiv PCの第一弾は、既存のWindows Media Center PCに手を加え、デュアルコアプロセッサを搭載し、洗練されたポーズボタンとカラフルなシールが付いただけ、といったものばかりだ。Intelが今年後半にソフトウェアアップデートをリリースするまで、このような状況が続くと思われる。
GatewayのTodd Titera氏(デスクトップ製品担当シニアマネージャー)は、「過度な約束はしたくはないが、勢いは増しつつある。最初のバージョンからすべて実現されていたら良かったのだが、現実にはそうはなっていない」と述べている。
今のところ、Viiv PCを見かける機会はまだ少なく、これにどんな機能が搭載されているのかと首を傾げる消費者や評論家もいる、というのが実状だろう。
ViivブランドPCの目玉とされているのは、ダウンロードしたビデオファイルをPCから別の部屋にあるテレビにストリーム配信したり、このファイルをパーソナルメディアプレイヤーに転送したりできる機能だ。これらの機能は、Intelがソフトウェアアップデートをリリースする今年後半には実現されるという。既存のViiv PCユーザーも、このアップデートをインストールすれば新しい機能を実現できると、Intelの広報担当Kari Skoog氏は述べている。同氏によると、Intelではこのバージョン1.5のアップデートをどんな形で公開するかについて、まだ決定していないが、必ず簡単に導入できるようにするという。
また、このソフトウェアを使えば、「Intel Hub Connect」と呼ばれる技術も利用できるようになる。Intel Hub Connectは、Viiv PC、Viiv認定の無線ルーター、そしてViiv認定ワイヤレス(機能付き)テレビもしくはセットトップボックスといった、各種の家電製品が接続するホームネットワークを簡単に構築できるようにする技術で、たとえばDirecTVは、Viiv認定機器に対応したセットトップボックスをリリースする計画を今年のCESで発表していた。
HPのDavid Galvin氏(デスクトップ製品担当ワールドワイドマーケティングディレクター)は、「ルーターやデジタルメディアアダプターを使ってメディアコンテンツを家中にストリーミング配信するという野心的なビジョンを、Intelが描いていることは確かだ。これらの機能が実現されれば、ユーザーが利用中のPCもそれに対応できるようになる」と述べている。
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