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上場よりも大手企業との共同会社で事業を拡大するチームラボ

永井美智子(編集部)2006年09月04日 08時00分
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 ニュース記事に産経新聞の記者と読者のブログが連動するニュースサイト「イザ!」、フジテレビが運営に参加する動画共有サービスの「ワッチミー!TV」、独自のアルゴリズム「オモロアルゴリズム」を利用して人の主観や興味を反映した検索結果を表示しようとする検索サービス「SAGOOL(サグール)」--これらのサービスに、同じベンチャーが関わっていることをご存じだろうか。

 その会社は、チームラボという創業6年目の技術系ベンチャーだ。東京大学から程近い東京都の本郷に本社を置く。オフィスの入り口には訪問先を呼び出すためのファミリーコンピュータが置かれており、その横には社員1人1人の写真がCDジャケット風に紹介されている。独特な雰囲気が溢れるオフィスが示すように、経営姿勢もほかのベンチャーとは一線を画す。

チームラボのオフィスの様子 チームラボの入り口に置かれた呼び出し用ファミリーコンピュータ(左)。コントローラーでキャラクターを操作して、呼び出したい相手の部署が書いてある土管にキャラクターを入れると、電話が鳴る仕組みだ。右はCDジャケット風の従業員の写真で、それぞれの従業員が制作したものという

パートナーと共同でサービス運営会社を設立

 チームラボは現代表取締役の猪子寿之氏が東京大学の4年生であった2000年に、友人と共同で設立した。チームラボという名前には、「チーム(仲間)で一緒に、ラボ(研究所)のようにさまざまな新しい技術やサービスを生み出していきたい」という思いが込められている。社員は現在約100名で、そのうちの70%がデザイナーやエンジニアなどという技術者集団だ。

 膨大なデータの処理技術に強みを持ち、ユーザーの行動履歴などを解析して嗜好やニーズにあった商品などを自動的に推薦するリコメンデーションエンジンや、あるコンテンツに近い内容のものを自動表示するコンテンツマッチングエンジンなどを開発している。

 しかし、ただ製品を開発して提供するだけではなく、パートナー企業と共同で新会社をつくって事業を進めるのが同社の大きな特徴だ。2005年にはトランスコスモスと合弁で、インターネットサービスを開発、運営するチームラボビジネスディベロップメントを設立。この会社を軸に、大手企業ともパートナー関係を築く。

猪子寿之氏 猪子氏はチームラボについて、「Web 2.0企業ではラボを作るのがブームになっているが、うちは元祖ラボだ」と笑う

 たとえばイザ!の場合、チームラボビジネスディベロップメントが産経新聞社、日本工業新聞社とともに産経デジタルを設立し、サービスを運営している。また、ワッチミー!TVでは同様に、チームラボビジネスディベロップメントとフジテレビの合弁でフジテレビラボLLC合同会社を設立した。

 共同で新会社を作るのは、事業継続のリスクを下げるためだ。関係企業が出資する新会社をつくることでお互いのコミットメントを明確化するとともに、万が一事業がうまくいかなかった場合でも本体への影響を最低限にとどめることができる。

 また、別会社を作ることでそれぞれの企業の役割が明確化するということもあるようだ。「チームラボが手がけるのは受託開発やソフトウェアのパッケージ提供のみ。開発が好きな人間が集まっているし、サービスを運営するよりも新しい技術をどんどん生みだしていきたい」(猪子氏)

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