SymantecがMicrosoftに企業秘密を侵害されたとして同社を提訴した訴訟で、法廷での最初の戦いを終えた両社は、本格的な戦いに向け準備を進めている。
シアトルの連邦判事は米国時間8月22日、同訴訟の当事者であるSymantecとMicrosoftの両社が裁判書類を封印した状態で提出することを認める命令を承認した。これにより、機密性の高い詳細な情報は公文書に記録されないことから、両社は訴訟関連情報の収集において全面協力が可能となった。ただ、実際に裁判が行われるとしても、開始時期はかなり先になりそうだ。SymantecとMicrosoftは、先週、裁判所に提出した訴訟文書の中で、公判期日を2007年12月にするよう提案している。
Symantecの法務担当ディレクター、Michael Schallop氏は「問題解決に向けた取り組みを推進したい」とした上で、「われわれは自分たちが正しいと考えており、その証明も可能だ。解決は早ければ早いほどいい。解決手段は、裁判でも交渉による解決でも構わない」と語った。
Symantecは2006年5月、Microsoftがデータストーレジ技術に関するSymantecの知的財産権を不正流用したとして同社を提訴した。最近、MicrosoftはSymantecの専門分野であるセキュリティソフトウェア分野に進出しつつあり、両社は熾烈な競争を展開している。今回の訴訟も、両社によるソフトウェア業界における「一大戦争」の一環といえる。SymantecとMicrosoftが法的争いで相対するのは今回が初めてだ。
両社の争いはすでに本格化している。Microsoftは6月末に、SymantecがMicrosoftの3件の特許を侵害したとして同社を提訴した。またMicrosoftは、SymantecがMicrosoftに対して提起した訴訟の中心的な争点であるSymantecの特許の有効性についても異議を申し立てた。
Microsoftが取った2つの措置は、どちらも特許訴訟では一般的な手法だ。ただ一点、例外といえるのは、Microsoftが米特許商標庁(USPTO)にもSymantecの特許の調査を要請した点だ。
Microsoftの次席法律顧問のSteve Aeschbacher氏は23日に行ったインタビューの中で、「Symantecの主張は根拠を欠いている。なぜなら、実際には、Microsoftは関連する全ての技術の知的財産権を2004年にVeritas(Software)から購入したからだ」と述べ、さらに「われわれは、Symantecの方がわれわれの知的財産権を侵害していると考えている」と付け加えた。
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