Microsoftがオールインワン型のPC保守管理ソフトウェア市場へ待望の参入を果たし、消費者セキュリティ市場を揺るがしている。
先週のMicrosoftによる「Windows Live OneCare」の発表に続き、多くの企業が家庭用コンピュータ向けのセキュリティおよびメンテナンスパッケージ製品を提供しようとしている。中には、AOLなどの予想外の企業も含まれている。
このうちどの企業が勝者となるかを断言することはできないが、Windows PCの安全性維持が簡単かつ安価かつ包括的になっていくことだけは確かだ。
GartnerのアナリストArabella Hallawell氏は、「Microsoftの公式参入によって、消費者セキュリティ保護市場では価格の下落が進む」と予測している。ワシントン州レドモンドを本拠とするMicrosoftが、同市場で大きなマーケットシェアを獲得する可能性は大きいという。「既存ベンダーは、複数の製品を統合して割安感の大きい価格帯を実現しなければ、生き残れない」(Hallawell氏)
MicrosoftはOneCareを武器に大手のSymantecやMcAfeeに勝負を挑み、これが消費者向けセキュリティ分野における競争を激化させている。Gartnerの調べによると、2005年の消費者ウイルス対策ソフトウェア世界市場は、前年同期比17%増しとなり、19億5000万ドル規模に達したという。最大のシェアを獲得しているのはSymantecで、占有率は70%となっている。
Microsoftは、消費者セキュリティ市場に満を持して参入したばかりではなく、新たな試みも行っている。SymantecやMcAfeeが、長年にわたり追加機能に課金するスタイルを取ってきたのに対して、OneCareソフトウェアおよびサービスパッケージは、一体型を目指したのである。OneCareには、競合製品にも一般的に見られるウイルス対策やスパイウェア対策、ファイアウォールが搭載されているが、Windowsシステム向けのバックアップ機能と調整ツールも含まれている。Microsoftは同製品を「PCのためのピットクルー」と喧伝した。
MicrosoftのOneCare製品マネジメント担当ディレクターDennis Bonsall氏は、先週行われたインタビューの中で、「われわれはまったく新しいカテゴリを生み出したと自負している。(OneCareは)セキュリティだけではなく、PCの保守管理全般を対象とした製品だ」と述べた。
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