ワシントン発--Googleのニュース検索機能についてAgence France-Presse(AFP)が起こしていた著作権関連訴訟で、米連邦裁判所はGoogle側の申し立てへの判断を延期した。
米地方裁判所のGladys Kessler判事は米国時間7月18日、Googleが申し立てていた審理却下について、判断を下す準備が整っていないと述べた。同判事はその一方で、2003年および2004年から無作為に選んだ日付のGoogle Newsページを両者が再現できるよう、その作業期限を延長した。
ニュースの見出し記事や要約を取り込む際の法的基本原則が明確になっていないため、この著作権裁判は国際的な関心を集めている。たとえば、多くのブロガーは、著作権者の許可を得ることなく記事の抜粋を日常的に再配信している。
パリに本社を置く通信社AFPは2005年3月、1750万ドル以上の賠償金を求めてGoogleを提訴した。これに対してGoogleは、6月提出した裁判資料のなかで、「AFPの訴えはもう却下すべきだ」と述べていた。
しかしKessler判事は、30分にわたる口頭弁論のなかで、アーカイブされたGoogle Newsのページを再現する作業が混乱し、遅れていることから、両者にはもっと時間が必要だと述べた。Kessler判事は、「申し立てに関する所見を前回の審問後に出せるものと思っていた」と述べ、「膨大な時間を無駄にしたが、これは特にだれの責任でもないと思っている」と付け加えた。
世界で最も長い歴史を誇り、Associated PressとReutersに次ぐ世界第3位の規模を有するAgence France Presseは、Google Newsが不法にAFPの写真、見出し、および記事の先頭部分の抜粋を取り込んだ、と主張している。AFPはまた、Google Newsは連邦法に違反して写真のクレジットと著作権表示を削除した、とも主張している。
一方のGoogleは、AFPの見出しは著作権法で保護するほど「独自のものでも、独創的なものでもない」と主張している。Googleはまた、「AFPの見出しは通常、事実に基づくシンプルなものであり、内容も単純だ。法律によって保護されるものではない」としている。
さらに、Googleの代理人を務めるWiley Rein and Fieldingの弁護士は、AFPは争点となっている具体的な写真や記事を特定する必要がありながら1年以上も対応していないため、本件は却下すべきだ、と主張している。
Googleはこれまでに、同様の訴訟で敗訴したことがある。カリフォルニア州の連邦地裁は2月、Googleの画像検索の一部が著作権法に違反している可能性がある、との判断を下している。しかし、3月には、自分のウェブサイトの抜粋が検索結果に表示されるとして電子ブック編集者がGoogleを訴えていた別の裁判では、ペンシルバニア州の連邦地裁がこれを却下している。さらにネバダ州でも、Googleのキャッシュは著作権侵害ではない、との判断が下されている。
AFP対Googleの裁判は異例に長い時間がかかっており、アーカイブされたGoogle Newsページを再現することの難しさなどから、徐々に複雑化している。
AFPはGoogleの弁護士にあてた5月31日付けの書簡で、2003年および2004年の記事や写真の多くはウェブから定期的に削除されるため、調査は実施したものの「そのほとんどがリンク切れになっていた」と述べている。
さらに、Googleから提供されたアーカイブページの評価に、AFPが時間のかかる手法を採用していることも問題を複雑化している。AFPは17日に裁判所へ提出した資料のなかで、同社がワシントン支局の5人の正社員と「複数の個人」の協力を得て大量のデータを調査中であることを明かしている。
AFPの代理人を務めるVenable LLPの弁護士Joshua Kaufman氏は18日の口頭弁論で、AFPはこれまでに、フランス語のニュース記事を350件、英語の記事を4件特定したことを明らかにした。Kaufman氏によると、AFPは段ボール11箱分の資料を17日にGoogleに届けたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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