米連邦裁判事が、ほかのウェブサイトにある画像のサムネールを表示するGoogleの画像検索機能の一部に、米国著作権法違反の可能性があるとの判断を下した。
米地方裁判事のA. Howard Matzは米国時間17日に下した判断によると、「美しい自然のままの女性」のヌードを公開するアダルトサイト「Perfect 10」は、Googleの画像検索が「写真のサムネールを作成/表示すること」で著作権法に違反していることを立証したという。
Matz判事は、Perfect 10に対してGoogleへの仮差し止め命令を認め、3月8日の期限までに差し止めの内容を協議するよう両者の弁護士に指示した。
Perfect 10は、2004年11月にGoogleを著作権侵害で訴え、2005年8月には、GoogleがPerfect 10の写真3000枚以上を複製/表示/配信しているとして、この差し止めを求めていた。
Perfect 10によると、同社は著作権侵害者に悩まされているが、これらの侵害者は1カ月あたり25ドル50セントの会費を支払って手に入れたPerfect 10の画像を勝手に自分のサイトで公開しており、それがGoogleの検索対象となっているために、Googleの画像検索結果のページで自社の画像が表示されてしまうという。
Matzは48ページにわたる意見書のなかで、Googleがユーザーに対して「非常に大きな便益」を提供しているとの点に同意しながら、ただし「既存の判例では、このような理由で著作権法がないがしろにされることは許されない」と述べている。
もしGoogleが従来の検索機能だけを、パソコンユーザーだけに提供しているとしたら、違った判断が出された可能性がある。しかし、判事は2つの違いを指摘した。その1つは、Googleが著作権侵害にあたる画像を掲載したこれらの写真サイトにAdSense広告を提供し、売上を得ている点で、もうひとつはGoogleが携帯電話用にも画像検索機能を提供している点だ。
Google Mobileの画像検索オプションでは、携帯端末で20億枚以上の画像を検索し、そのサムネール画像を保存できるようになっている。ところが、これらのサムネール画像は、Perfect 10が英国のFonestarzを通じたサブスクリプションサービスで提供しているものと変わらないため、Perfect 10のビジネスに悪影響を与える可能性があると、同裁判所は判断した。「Googleのサムネール画像は、(Perfect 10が)Fonestarzにライセンスするサムネール画像とサイズも品質も変わらない」(Matz)
Perfect 10の法律顧問Daniel Cooperは米国時間21日、CNET News.comに対して、「裁判所が、これら2つの要因が重要だと判断したことは間違いない。われわれは全体的に好感触を持っている」と語った。
Googleの代理人を務める法律事務所Winston & Strawnからはコメントを得られなかった。
しかし、Googleは重要な一点で勝利を手にした。Matzによると、同社の画像検索にはオリジナルのページ表示部分の上にサムネールを表示する「フレーム」機能があるが、これについてはPerfect 10の著作権を直接的には侵害していないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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