Intelから近日リリース予定のデスクトップ向け「Core 2 Duo」プロセッサ(開発コード名「Conroe」)のテスト結果が、独立系の比較評価サイトによってインターネットのあちこちで発表されている。Intelはここ数年で初めて、オフィスアプリケーションやゲームなど各種ソフトウェアに関する幅広いベンチマークで、性能の明らかな優位性を示した。
2006年2月、まだIntelがConroeの作成に使用されるコアアーキテクチャについての詳細を発表していない段階で、同社のバイスプレジデントでモバイルプラットフォームグループのゼネラルマネージャーを務めるMooly Eden氏は、新しいアーキテクチャによるチップは、Advanced Micro Devices(AMD)の競合チップよりも、おおむね20%以上高い処理性能を誇ると主張していた。多数のベンチマーク結果から総体的な数字をまとめることは難しく、Core 2 Duoがこの数値を達成した分野もあれば、達成しなかった分野もある。だが、Core 2 Duoの優位性は明白で、テストをしたレビュー担当者からは惜しみない賞賛の声があがっている。
CNET News.comと同じくCNET Networksが運営するサイトCNET.comによると、「Core 2 Duoプロセッサは市場において最速のデスクトップ用チップというだけでなく、コスト効率が最もよく、電力効率もトップクラスだといえる」という。多くの評価サイトが、米国時間7月27日に公開予定の3種のプロセッサ「Core 2 Extreme X6800」「Core 2 Duo E6700」「Core 2 Duo E6600」をテストしている。Core 2 Extreme X6800は、最速のクロック速度で動作し、E6700やE6600に比べて大幅にコストがかかるものの、リリース時点において世界で最もパワフルなデスクトップPC用チップになるだろう。
Conroeの試作バージョンを入手できたサイトの1つAnandTechは、「われわれの比較テストで、Core 2 Extreme X6800が達成できなかったベンチマークはなかった」と宣言している。主流製品のE6700およびE6600プロセッサでさえ、AMDの最高性能チップ「Athlon 64 FX-62」を複数のベンチマークにおいて上回った。
ハードウェア批評サイトSharkyExtremeもまた、Core 2 Duoに感銘を受け、「Core 2プロセッサシリーズのリリースは、市場に大きな衝撃を与えた。発熱を抑え消費電力を低減する仕様に加え、性能と価格の信じがたい組み合わせを実現している。これらのプロセッサは非常に優れており、取り立てて言うようなマイナス面を探すのは難しい」と論じた。
PC Worldが独自のベンチマーク「WorldBench」で行ったテストでは、E6700プロセッサはAMDのFX-62プロセッサをかなりの得点差をつけて上回っており、Core 2 Extremeと比較した場合はさらに差が大きかったという。AMDのAthlon 64プロセッサのリリース以来、ほぼ揺らぐことなくAMD側に付いていたPCゲーマーたちは、ゲームに関するベンチマークの数値によって、自分たちのスタンスを考え直さなければならなくなるだろうと、PCMag.comは述べている。
Core 2 Duoプロセッサを描写する言葉は、ほとんど畏敬の念さえこもったものになっている。これはおそらく、IntelがデスクトップPC市場において、性能の観点からこのような競争力を持っていた時期からずいぶん長い年月がたってしまっているということも理由の一つだろう。「Pentium 4」および「Pentium D」として知られるIntelの「Netburst」アーキテクチャに基づくプロセッサは、同じようなテストの多くで、AMDのAthlon 64プロセッサに後れをとり、電力消費もAMD製品よりかなり大きかった。しかし、性能に関しては評価が逆転し、電力消費に関しては、複数のレビュー担当者によるテストで、Intelの新しいプロセッサはAMDのチップと同等か、より優れているという結果が出ている。
AMDは、2006年をこの数年間の大攻勢から一呼吸置く時期と位置づけている。「Athlon 64 X2」に関しても大きな変革を行う計画はない。しかし、同社はより高速のDDR2メモリへのサポートを開始し、デュアルコアAthlon 64 X2プロセッサ2基(4コア)、2グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)のビデオカードを2枚(4GPU)を装着する「4x4」と呼ばれるゲームプラットフォームのリリース計画を発表した。こうした動きがConroeの性能に打ち勝つのに十分かどうかは定かでないが、AMDは2007年に4コアデザインのサポートをはじめとした、プロセッサに関するさらに徹底的な改革を進める予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」