Intelは米国時間6月26日、今夏デビュー予定とされている3種類のプロセッサのうちの1つであるサーバ用チップ「Woodcrest(開発コード)」をリリースする。今夏のプロセッサ3種類の発売は、Intelの38年の歴史で最も重要なイベントの1つになる。
これまで発売されてきたIntel製チップと同様に、これらの新チップも新世代コンピュータの基盤となり、ソフトウェア開発者やハードウェアメーカーの売上向上に寄与することになる。たとえば、Hewlett-Packard(HP)はWoodcrestベースのサーバ製品を幅広いラインアップで投入する予定で、その中の1つは同社製品ラインで最速の2プロセッササーバになるという。しかし、今夏の製品公開で最も重要な点は、これらの製品が、Intelの技術的優位性が再び認められるか否かの試金石になることだ。
この点について、Intelは自信を隠さない。
Intelのエンタープライズグループ担当ゼネラルマネージャーPat Gelsinger氏は、「パフォーマンスはライバル製品を平均40%上回り、消費電力もやや効率的になっている。消費電力とパフォーマンスを組み合わせると、能力が1.5倍向上しているものと自負している。顧客はこのプラットフォームにかなりの期待を寄せている。新製品の導入は一気に進むだろう」と語っている。
Intelのモバイルプラットフォームグループでゼネラルマネージャーを務めるMooly Eden氏によると、続いて登場するWoodcrestのノートPC版「Merom(開発コード)」は、消費電力は維持したままパフォーマンスが20%向上するという。
このような改善は大きな変化だ。同社は2004年以来、出荷の遅延や製造中止などに悩まされ、何度も販売機会を逸失してきた。またIntel製プロセッサは、ベンチマークテストでライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)製チップの後塵を拝してきた。
かつてはAMDに見られた不安定な在庫の問題が、3四半期にわたってIntelの利益に打撃を与えてきた。
これと同じ時期、自信をつけたAMDはOpteronとAthlon64の両チップで顧客を増やした。
その結果、80%半ば程度を占めていたIntelの市場シェアは77.2%へと下落した。さらに悪いことに、AMDはローエンドチップ以外の分野でシェアを伸ばしていた。同社はサーバ市場で大きくシェアを伸ばしたのだ。AMDは、2003年の第1四半期時点では0%に近かったx86サーバ市場のシェアを、2006年第1四半期には22.1%まで拡大してきた。
Intelは、新チップの投入に加えて徹底的な組織の見直しも進めており、これが非採算部門の売却、社員の解雇、中間管理職の削減につながる可能性もあるとの指摘が一部にはある。最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏とその部下たちは厳しい現実に直面している。
MercuryResearchのアナリストDean McCarron氏は、「今は、Intelの歴史のなかでも極めてまれな状況にある。Intelのロードマップ全体が一気に書き換えられている」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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