米連邦議会下院は米国時間7月11日、インターネット賭博を規制する法案の採決を行った。この採決は、2006年11月に迫った中間選挙に向けて支持率を高めようとする共和党の意図を反映するものだ。
投票の結果、法案は317対93で可決された。議論を呼んでいたこの法案は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)と金融仲介機関、つまり米国外にあるウェブサイトの決済業務を代行する銀行やクレジットカード会社を規制対象とすることで、さまざまなオンライン賭博の一掃を図るものだ。
ネット賭博を「米国社会への災厄」として非難するBob Goodlatte下院議員(バージニア州選出、共和党)は、この10年の大半をネット賭博撲滅法案の制定に費やした。
およそ4時間にわたる議会での討論の中で、法案の支持者たちはワイヤレス機器の人気が高まっていることに警鐘を鳴らし、連邦議会は規制法案をただちに制定する必要があると訴えた。ある調査では、インターネット賭博の売上高は1年で100億ドル以上になると推定している。
「このままでは今後、賭博サイトのユーザーは自宅のコンピュータからだけでなく、車での通勤中に携帯電話を使って、あるいは映画の開演を待つ間にPDAのBlackBerryを使って賭け事ができるようになる」と、Jim Leach下院議員(アイオワ州選出、共和党)は主張する。
非合法インターネット賭博禁止法案(Unlawful Internet Gambling Enforcement Act)は、「違法な」オンライン賭博に関連する電子決済は連邦法に違反する行為だと明確に定めている。さらに、場合によってはISPに対し、米国外の賭博サイトへのアクセスを遮断するよう命じることも可能になる。
11日に行われたこの法案の採決では、民主党議員の多くが反対票を投じる一方、共和党議員はほとんど全員が賛成票を投じた。この法案がターゲットとしているのはイギリスのTrident Gamingが所有するBetBug、カリブ海の島国、アンティグア・バーブーダのBetWWTS.com、コスタリカのBodog Sportsbook, Online Casino and Poker Room、ロンドンを拠点とするBetfairなど、米国外にある賭博サイトだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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