世界貿易機関(WTO)が、米政府は2006年の春までに海外のネット賭博に対する規制を解かなくてはならない、との裁定を下した。
WTOは、先週発表した31ページにおよぶ裁定書(PDFファイル)の中で、米国政府は2006年4月3日までに、同国の既存の賭博法が東カリブ海の小さな島国であるアンティグア・バーブーダに拠点を置く企業を差別していないことを保証しなくてはならないと主張した。
アンティグアは2003年にWTOに提出した申立書の中で、連邦法や州法でネット賭博を規制する米国の行動は、国際貿易協定違反に当たるとして非難した。国際的に運営されている賭博産業はアンティグアの経済を支えている、と同国は主張している。
WTOの控訴審議会は2005年4月に、アンティグアの主張を部分的に支持した。同審議会は報告書の中で、Interstate Horseracing Act(IHA)と呼ばれる米国法は、住民が米国内の他の州の業者から馬券を購入することを認め、海外業者からの購入を認めていないと見られることから、国際的規則に違反すると結論づけた。
米国通商代表部の報道担当官、Neena Moorjaniは、「米国はすでに、WTOの裁定に従う意向であると発表した」と述べ、さらに「われわれは、現在行っている(国際的規則を)遵守する取り組みを今後も継続する・・・今われわれが行う必要があるのは、競馬のネット投票に関するごく限られた問題を解決することだけだ」と語った。
Moorjaniは間髪入れずに、「(いずれの行動も)米国のネット賭博全体に関する規制を緩和するものではない」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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