1のパッケージモデルでは、オンラインプレイを無料としているタイトルが多い。これは、パッケージ販売で収益を上げ、オンラインプレイのサポートはゲームを長期にプレイしてもらうためなどのユーザーサービスと位置付けているためだ。家庭用ゲーム機の場合、マイクロソフトの「Xbox Live」やKDDIの「マルチマッチングBB」のように、オンラインゲーム向けの統合環境を提供し、そこに課金するモデルもある。
PCゲームでオンラインプレイが無料というのは、プレーヤーの視点がそのまま3Dで表示されるシューティングゲーム(FPS)やマイクロソフトの「エイジ オブ エンパイア」のようなリアルタイムシミュレーションゲーム(RTS)など、対戦を主体としたゲームで多く見受けられる。
2の毎月一定額を課金するモデルは、現在最もよく見られるスタイルだろう。スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXI」やガンホーの「ラグナロクオンライン」といったMMORPGのメジャータイトルはこのモデルである。ユーザーはゲームをプレイするために、毎月1000〜1500円ほどの料金を支払うというものだ。最初の1カ月目は無料というものも多い。ゲームの種類としてはMMORPGが主体である。
3の部分課金は最近増えてきた新しいビジネスモデルである。ソフトを無料で配布し、サービス自体も無料で提供するが、ゲームをより楽しむためのアイテムなどを有料で販売するというものだ。プレイ継続の敷居が低いため、ユーザーを集めやすいという利点がある。
最近では、ゲームポットの「スカッとゴルフ パンヤ」の会員数が2005年11月に100万人を突破している。2005年1月にサービスを開始したジークレストの「トリックスター+」も現在までに約70万人を集めている。ゲームの種類としては、パズルなどのようなカジュアルゲームからMMORPGまで幅広い。また、NHN Japanの「ハンゲーム」のように、アバターと呼ばれるネット内の仮想人形の洋服や小物などをユーザーに販売し、収益をあげているものもある。
パッケージモデル、特に家庭用ゲーム機のタイトルは、従来のビジネスモデルとあまり変わりがない。一度販売したゲームは修正などはできないし、売り上げは発売日をピークにだんだんと下がっていく。ゲームを発売した後は、オンラインサービスのサポートが必要だが、基本的に売った後は何もしないモデルといえるだろう。 ところが、課金モデルは、ゲームを発売してからが勝負になる。スタートでの売り上げこそ少ないものの、きちんとしたサポートや改良、新サービスの投入を続ければ、ユーザーが増え、毎月の収益はどんどん増加していく。
タイトルを発売すれば収入があるが、タイトルが出ないとまったく収入のないパッケージモデルと、ゲームのサポートを続けながら、ユーザーに少額の課金をして、毎月収入があるモデル。これは、一度に大きな収益を得る狩猟型、地道に稼いでいく農耕型ともいえるだろう。
1つ1つの課金は少額ではあっても、塵も積もれば山となるという言葉の通り、まとまれば大きな額となる。コンシューマー向けのインターネットビジネスといえば、これまで広告モデルが主体だった。コンシューマーにサービスを提供していても、主な収益源はBtoBというところも多い。しかし、オンラインゲーム産業は、BtoCできちんと稼いでいる希有な業界ともいえる。ユーザーは何を期待して、お金を払ってくれるのか--そうしたことを考えるならば、オンラインゲームビジネスは参考になる材料が非常に多い業界なのだ。
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