IBMと富士写、面記録密度を15倍に高めるテープストレージ技術を共同開発

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、高森郁哉2006年05月16日 19時31分
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 磁気テープは死んでいない。IBMと富士写真フイルムは、そのことを広く知らしめたいようだ。

 IBMのAlmaden Research Centerと富士写真フイルムは共同で、2層構造の磁気テープを採用した新ストレージシステムのプロトタイプを開発した。1平方インチ(約6.45平方cm)当たり66億7000万ビットのデータを記録できるという。これは、現在市場に出ている大半の標準的な磁気テープの15倍の記憶容量になる。

 この研究成果は、磁気テープがまだ今後もしばらくは経済的なストレージ手段として存続する、という主張の援軍となる。低コストかつ比較的省サイズというテープストレージの長所は、簡単には破られそうにない。IBMによると、この新しい磁気テープでLTOカートリッジを作るなら、約800万冊の本に相当するデータを記録できるという(LTOカートリッジは、テープストレージ用カセットの業界標準規格で、VHSテープの約半分の大きさ)。800万冊を蔵書するには、57マイル(約90km)にわたって書棚を並べなければならないだろう。

 また、大容量テープライブラリは、データ保存に要する消費電力も少ない。特にハードディスクにデータを保存する場合と比較すれば、その差は顕著だ。IDCの統計によると、テープ市場の2005年における売り上げは、約48億2000万ドルだったという。

 IBMによると、この新型テープを採用したストレージシステムは、約5年後には市場に登場する可能性があるという。

 富士写真フイルムが開発した磁気テープは、バリウムフェライト磁性体結晶を一様に塗布した薄膜でできている。バリウムフェライトは腐食もせず、化学的な経年変化もないため、長期保存用のストレージ媒体として優れた選択肢となる。同社は、数年前からこのバリウムフェライト結晶を塗布した磁気テープを生産しており、製造法や塗布プロセスの改良を続けてきた。この実験の積み重ねが、今回の成果につながった。

 さらにIBMは、読み書きヘッドの性能を高め、ヘッドの位置決めに関する手法も改良した。これにより、データトラックのサイズを約90%縮小できるという。また、IBMのZurich Research Laboratoryが、磁気ビット読み取り精度を改善する新たなコーディング手法を開発した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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