今は縮小を考える時でない--マイクロソフトCEOバルマー氏が全社にメッセージ

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年05月02日 12時25分

 新興ビジネスに何十億ドルもの投資をするMicrosoftの計画に対して金融アナリストらは否定的な見解を示した。しかし、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は従業員に「今は縮小を考える時ではない」と述べた。

 Ballmer氏は米国時間4月28日、全従業員にメモを送り、将来の成功を確実なものにするためには投資が必要であるとの考えを示した。

 CNET News.comも確認したこのメモには、「Microsoftはこれまで、思い切った大きな賭けに出ることで競争を勝ち残ってきた。今は、われわれの遠大なる野望や投資を縮小する時ではない。チャンスがこれまで以上に広がる一方で、われわれは新しい競合企業や、移り変わりの激しい市場、顧客からの新しい需要に対応していくという課題に直面している」と書かれている。

 Microsoftは27日、今四半期および次会計年度の見通しを示した。この見通しは投資家の予測とほぼ一致したものの、同社が、Googleなどと競合するインターネットサービスへの投資を拡大させる予定であることから、利益は少なく見積もられている。

 この発表の後にMicrosoft株は急落した。株価急落を受け、Ballmer氏は全従業員に向けて上述のようなメモを送ることになった。同氏は、投資の拡大計画が金融アナリストらを驚かせてしまったと述べ、「株価の変動は、これによるものだ」とした。

 実際、多くのアナリストは、Microsoftの計画に批判的だった。Credit SuisseのアナリストJason Maynard氏は先週、Microsoftの今後の予想を「Margins Get Googled」と題するレポートにまとめた。

 Maynard氏はMicrosoftの計画について「Microsoftが築き上げてきたPCセントリックな事業が、software-as-a-service(ソフトウェアをサービスとして提供する)事業やオンラインビジネスといったモデルに脅かされる様子が直接反映されている」と述べた。さらに同アナリストは、今がMicrosoftに投資をすべき時ではないとし「現在の状況で投資家が同社株を買う理由はない」と述べた。

 しかしBallmer氏は、たとえ時間がかかる事業であっても、投資が必要だと訴えている。、また、TVセットトップボックス用ソフトウェアも10年に及ぶ投資の末、ようやく成果が表れている事実を示し「TVに対する当社の思い切った賭けが今、報われようとしている」と述べた。

 Ballmer氏のメモの詳細についてはCNET News.comに先立ち、Bloomberg Newsが5月1日に報じている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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