米国時間4月27日、Microsoftが第3四半期の利益および売上高を発表したが、その総額は一部のアナリストの予想よりも低い結果に終わった。同社は、「Windows Live」インターネットサービスやほかの新たなビジネスに力を入れるため、今後の利益はさらに減少する可能性があると述べている。
Microsoftによれば、1月1日から3月31日までの3カ月間の利益は29億8000万ドルで、1株当たり利益は29セントとなり、売上高は109億ドルであったという。前年同期は、利益が25億6000万ドル、1株当たり利益が23セント、売上高が96億2000万ドルという結果だった。
同社の第3四半期の利益は、1株当たり3セントに相当する裁判費用によって相殺されている。もっとも、前年の法務関係のコストは1株当たり5セントとなっていた。
アナリストらは、1株当たり利益を33セント、売上高を110億4000万ドルと予想していたと、First Callは話している。一方Microsoftは2006年1月、売上高は109億〜112億ドルの間となり、1株当たり利益が32〜33セントになる見込みだとしていた。
Microsoftの投資家対応部門ゼネラルマネージャーColleen Healy氏はCNET News.comに対し、利益額が下落したのは、同社がサービスへの取り組みに増資し、「Xbox 360」ゲーム機の生産を拡大したためだと説明した。
また同社は、第4四半期および次期会計年度の売り上げは、アナリストの予測と近いものになるという考えも示した。しかし、各種サービスの提供や、「Windows Vista」および「Office 2007」のリリースに投資していくことから、利益は減少するだろうとも述べている。
MicrosoftのデスクトップおよびWindowsサーバを販売する3つの主要部門では、同四半期の利益および売上高はともに増加した。
一方で、MSN部門の売上高は前年より悪化し、収支は赤字に転落した。主にXboxを扱うHome and Entertainment部門は、MicrosoftがXboxの出荷を増加させたことから、売上高は前年の5億7100万ドルから10億6000万ドルへ上昇した。ただし、初期出荷に伴う損失を計上したため、同部門の営業損失は前年同期の1億7500万ドルから3億8800万ドルへ増加している。
低迷が続いていたMicrosoftのBusiness Solutions部門は、2005年12月に終了した四半期には営業利益を上げたものの、第3四半期で再び赤字に転落した。売り上げ高は、前年同期の1億7900万ドルから2億1600万ドルへ増加したが、1300万ドルの損失を計上したという。
ハンドヘルド端末や携帯電話向けの「Windows Mobile」ソフトウェアを取り扱うMobile and Embedded Devices部門は、売り上げが前年の6100万ドルから8900万ドルへ伸びたものの、営業損失も900万ドルから1400万ドルへと拡大した。
Microsoftは現在の第4四半期に関して、売り上げ高が115億〜117億ドル、営業利益が40億〜42億ドル、1株当たり利益が約30セントになると予想している。アナリストの予測では、1株当たり利益は34セント、売り上げ高は116億4000万ドルに達する見込みだという。
Healy氏は、Microsoftはサービス部門の人員拡充に対する投資を続けるとともに、物理的なハードウェアや、以前から改良を進めてきた検索アルゴリズムへの支出も拡大させていく意向だと語った。「すぐそこにあるビジネスチャンスをしっかり把握し、目標に向けて積極的な取り組みを進めていこうと考えている」(Healy氏)
ワシントン州レドモンドに本拠を置くMicrosoftは、2006年7月から始まる次期会計年度向けの事前情報も発表している。これによると、次期会計年度の売り上げ高は495億〜505億ドル、1株当たり利益は1.36〜1.41ドルになる見込みだという。
サービス事業への投資に加え、MicrosoftはWindows VistaおよびOffice 2007のマーケティングにも予算を割く予定だと、Healy氏は述べた。両製品は2006年後半にリリースされるはずだったが、現在は一般リリース時期が2007年1月に再設定されている。
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