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ライブドア事件に学ぶネット企業の本質 - (page 2)

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 2003年に富士通総研が行ったバブル崩壊後のネット企業に関する調査によれば、ネット企業の平均売上高増加率は2000〜01年度では267%、2001〜02年度では64%であった。増加率は減少しているものの、急激な成長は明らかだ。新しい産業が生まれる時、それに属する企業が速いスピードで成長するのは当然だが、当時のネット企業の成長ぶりは極めて異例なものだ。

 収益性も年々改善している。赤字企業の数は2000年以降減少の一途をたどっている上、2000年にはマイナス173%だった売上高当期利益率の平均は、2001年にはマイナス49%、2002年にはマイナス14%へと劇的に改善している。増収増益を達成していたネット企業も多く、2000〜01年度には45%、2001〜02年度では40%のネット企業が売上高と利益の両方を伸ばしている。

 この調査は2003年に行ったため、この時点で倒産してしまった企業が含まれていないという問題点はあるものの、2000年当時ですら、上場廃止になったネット企業は存在せず(確かに、存続しつつも今ではインターネットビジネスとは全く無関係な業務を行っている企業はある)、未上場ネット企業の倒産が相次いだことを実証する信頼に足るデータは存在しない。

 しかし、こうした実態とは関係なくネット企業に対する不信感はその後蔓延することとなった。企業の実態を正確に把握することのないまま、そして売り上げの増加のないままに、毎年赤字を増加させている一部の企業、あるいは一時華々しく市場に登場した直後に化けの皮がはがれた、リキッドオーディオ・ジャパンのような企業のイメージと結びつけ、それをネット企業全体に当てはめたことが、我が国全体にネット企業に対する誤解を生じさせた。ちなみに、リキッドオーディオですら上場廃止とはならず、全く別の企業として存続している。

ライブドア虚業説に対する3つのポイント

 今回のライブドア事件から生まれたネット企業全般への不信感もネットバブル崩壊後と同様、およそイメージ先行だと考えざるをえない。非常に短絡的にいえば、「ライブドアは虚業だから、他のネット企業も虚業だ」というイメージが、またしてもネット企業への不信感を生んでいる。しかし、そもそもライブドアは虚業なのだろうか。いくつかの点からライブドア虚業説を考えてみたい。

【プレゼンス】
 ライブドアのインターネット上でのプレゼンスは非常に大きい。ネットレイティングスが2005年12月に行った家庭からのサイトへのアクセスランキングではトップ10社に入っており、1400万人以上のユーザーがライブドア社の関連のサイトを見ている。3400万人ものアクセスを集める第1位のヤフーには遠く及ばないものの、ポータルサイトとしての存在感は十分であろう。

 さらに、ブログサービスは特筆に価する。同じくネットレイティングスによれば、ブログの開設者数、アクティブブログ数、開設されたブログへの訪問者数などは、他社のサービスを抑えてトップを独走している。実際にブログの開設を検討した人ならわかるが、特にライブドアのブログはデザインテンプレートが質、量ともに非常に充実しており、ブログ人口が増加するのに従って、ユーザーがライブドアに心引かれるのは大いに理解できる。こうしたデータなどから考えても、ライブドアはインターネット上のメインプレイヤーのうちの1社と考えるのが妥当であろう。

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