フジテレビジョンとUSENは3月16日、共同で記者会見を開催し、フジテレビの保有するライブドア株をすべてUSEN 代表取締役社長の宇野康秀氏に売却したことを発表した。
フジテレビ 代表取締役会長の日枝久氏は、「宇野氏とは5〜6年前からのつきあいで、違和感がない。USENの映像配信大手としての実績も高く評価している。USENのような企業とライブドアのシナジーはすばらしいものになるだろう。それがライブドアの再生につながれば、フジテレビとしてもうれしいことだ」と述べた。
「USENとライブドアのシナジー効果は高い」とフジテレビの日枝会長 |
また同氏は、今回の株の売却が「USENとライブドアの業務提携がより円滑に進むためのもの」としている。他社からライブドア株を引き受けたいとの打診もあったが、「ライブドアが再生するにあたって一番適している企業を選んだ」と日枝氏は言う。
今回フジテレビが宇野氏に売却するライブドア株は1株71円だが、話し合いを進めた他社の中には「金額的に見合わない額を提示されたケースもあった」と日枝氏。1株71円となったのは、「FA(財務顧問)の専門家や弁護士などと相談した結果、適切な価格として合意した額が71円だった」と述べている。
株取得の経緯について話すUSEN宇野社長
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宇野氏は、今回ライブドア株を個人名義で取得した。その理由について同氏は、「ライブドアに対する法務的、財務的な調査が十分でないため、USENのリスクマネジメントという観点から、個人で引き受けた方がいいと判断した」と話す。株をUSENの法人株に移行させるかどうかについては、「現在は未定」としているが、「ライブドア経営陣との話し合いの中で、資本政策上法人が株を持った方がいいということになれば、法人株とする可能性もある」と述べた。
株を取得したことで、宇野氏はライブドア前代表取締役社長の堀江貴文氏に次ぐ第2位株主となる。今後さらに堀江氏の持つ株を取得する意向はあるのかとの問いに宇野氏は、「今のところは全く考えていない」としている。ただし、「直接堀江氏から譲り受けることはないが、将来的にライブドアの経営陣が適切な株主構成を見直すにあたり、堀江氏の株主比率を下げることになれば、間接的に持つことはあるかもしれない」とつけ加えた。
ライブドア株を公開買い付け(TOB)にて買い進める可能性についても、「現時点では未定。ライブドアの調査が済んだ上で検討する」と述べているが、TOBという形式にはこだわらないとしている。
宇野氏は、「ライブドア株を個人名義で取得したが、USENとしてもライブドアの新体制の立て直しに貢献し、(株を譲渡した)フジテレビ日枝会長の期待に応えたい」と述べた。
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