Googleは米国時間9日、ウェブベースのワードプロセッサ「Writely」の開発元を買収したことを明らかにした。
この買収は、Writelyのメインサイトと、Writelyの共同創業者Claudia Carpenterが運営するブログの両方で明らかにされている。
Carpenter氏は「Googleによる買収は事実だ」と記している。WritelyサイトのFAQページには、この買収が今後どのような展開を見せるかはまだ分からない、とある。
「われわれはまだすべての細かな点まで決定したわけではない。規模の小さなチームではこれまで成しえなかったことを実行しようとするとき、Googleとの合併が役に立つだろう」(Writely)
Googleの関係者は、電子メールのなかで、この買収が事実であることを認めた。Googleは声明のなかで、「われわれは、革新的な技術と才能のあるチームを求めてWritelyを買収した。彼らと一緒に仕事ができることにワクワクしている」と述べた。なお、買収金額は明らかにされていない。
Googleはこれ以上の詳細についてはコメントを避けたが、自社のブログには情報をいくつか掲載している。
Googleは、Writelyがまだベータテスト中であり、このサービスの提供開始を待っている人がすでに多数いると記している。
Writelyは、未公開会社のUpstartleが2005年8月に立ち上げたサービスで、同社は12月に「PDFに保存」する機能を追加したが、これは同プログラムのベータテスト終了後に提供される有料のプレミアムサービスに組み込まれる予定の機能だ。また、WritelyではOpenDocumentフォーマットで保存された書類や、Microsoft Officeと競合するオープンソースのOpenOfficeで作成されたファイルを扱うこともできる。
Googleが、圧倒的なシェアを持つMicrosoft Officeと競合するウェブベースのサービスを開発するとの憶測が、これまで各方面で流れていた。また、10月になってOpenOfficeの中心的な支持者であるSun MicrosystemsとGoogleが提携したことで、この憶測はさらに勢いを増していた。さらに、Googleはこの同じ月に、OpenOfficeの機能改善に取り組むプログラマー数人を雇い入れると述べていた。
ウェブベースの生産性アプリケーションは、Writelyのほかにも複数の企業が提供している。
Carpenter氏は、以前に行われたインタビューの中で、同社が現行のワードプロセッサを補完するウェブベースの表計算ソフトの開発を考慮していると述べていた。しかし同社の戦略は、単純にMicrosoft Officeのオンラインバージョンをつくり出すことではなく、コラボレーション用の機能を強調するというものだ。
「Microsoftと直接競争するのは、われわれにとって一番避けたいところだ」とCarpenter氏は2月に語っていた。
Microsoftによると、全世界で4億人以上のユーザーが同社のOffice製品を利用しているという。
「Microsoft Officeはこれまで常に激しい競争が繰り広げられてきたこの分野で明らかに先頭に立っている」と同社のシニアマーケティングマネージャ、Erik Ryan氏は声明のなかで述べている。「われわれはこの市場での競争を歓迎し、それが業界全体にとって健全なことであり、また顧客にとって好ましいことだと考えている」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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