Microsoftは米国時間2月15日、ウェブホスティングアプリケーションと小規模企業向けビジネスアプリケーションを組み合わせた「Office Live」のテスト版をリリースする予定だ。
Office Liveが対象顧客とするのは、従業員10名以下の小さな企業である。Microsoftによれば、そうした企業の9割がインターネットアクセスを有しているが、独自のウェブサイトを開設している企業は5割程度にとどまっているという。
同社のInformation Workerサービス部門シニアプロダクトマネージャであるDean Nicollsは、「ウェブサイトを持たない小規模企業は多い」と話す。Nicollsは、10万社以上の企業が今回のテスト版利用を申し込んだことを例に挙げ、小規模企業の間にはウェブサイト構築に対する需要があると指摘した。これらの企業はすべてこのたびのテストに参加するが、Microsoftの公式サイトではまだ申し込みを受け付けているという。
Office Liveのベータ版では、電子メールやウェブドメイン、ウェブサイトホスティングといったサービスを無料で利用できる。同サービスは2006年11月頃にベータ版から正式版へ移行し、大半の基本機能は無料での提供が続けられる。一部のパッケージはサブスクリプション方式で販売される予定だ。
同社は2005年11月に「Live Services」と呼ばれる大規模な取り組みについて発表しており、Office Liveの概要もこのとき初めて公にされた。Microsoftのビジネス部門プレジデントJeff Raikesは、2006年1月のインタビューの中で、Office Liveには7万人を超えるユーザーからの利用申し込みがあり、同年第1四半期中にはベータ版をリリースすると述べていた。
Office Liveに関わるアプローチやスタッフの一部は、Microsoftがこれに先だって進めてきた「bCentral」などの多数の小規模企業向けサービスに対する取り組みから派生している。また2006年1月には、企業向けのオンライン有償技術サポートサービス「Small Business +」の提供計画が発表された。
MicrosoftはOffice Liveサービスを3つのカテゴリに分類しており、そのうち2つはいずれ有料化するが、1つは無料で提供する予定だという。ベータ版の間は、すべてのカテゴリが無料で利用可能だ。
小規模企業向けの無料エントリレベルサービス「Office Live Basics」では、独自のインターネットドメイン、最大5アカウントまで利用できる容量2Gバイトの電子メールストレージ、30Mバイトのウェブサイト用ストレージ、一月最大10Gバイトまで利用できるデータ転送などが提供される。Office Live Basicsを用いてウェブサイトを構築した企業は、ページビューを把握したりユーザーの使用ブラウザを特定したりすることの可能な、簡易な分析サイトを利用できるようになる。また、多彩なウェブページ用テンプレートが用意され、カスタマイズも可能になっている。ウェブページの作成には、HTMLにおける経験は必要とされない。
Nicollsは、「小規模企業が使いやすいよう、極限までシンプルなサービスにした」と述べている。
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