現在は「Windows Vista」と呼ばれている「Longhorn」のリリースが、予想より遅れるかもしれない。同製品には、当初予定されていたの機能の一部が搭載されない可能性もある。だが、それでもこれは「画期的な製品だ」と、Windowsの責任者Jim Allchinは主張している。
同OSでは、セキュリティ面での改良や外観の刷新などが図られている。また、ドキュメントをどのフォルダに格納したか記憶しておく代わりに、いくつもの仮想的なフォルダにドキュメントをしまうことができる、新たな情報検索/整理機能も搭載された。さらに、「先週編集したフォルダ」「Janeからもらった書類」となどというように、フォルダを自動的にアップデートすることも可能になる。
Microsoftはこれに加え、PCをホームネットワークに追加したり、ラップトップPCをプロジェクタに接続したりといった、さまざまなタスクの単純化にも取り組んでいる。
--Windows Vistaのリリースはいつ頃か。Microsoftは、2006年の年末商戦までにはVistaを正式リリースすると宣言していた。同製品の第1ベータ版は、2005年7月にすでに公開済みだ。Microsoftはまた、同製品のCommunity Technology Preview(CTP)版をもリリースしている。最初のCTP版は2005年9月に発表され、第2弾、第3弾もそれぞれ10月、12月に公開された。Microsoftでは、企業向けのテスト版を2006年第1四半期に、一般ユーザー向けのベータを第2四半期にリリースする予定だという。Longhornのサーバ版は、2007年に登場するとされている。
--Vistaに搭載される機能とは。
かつてLonghornと称されていたVistaは、Microsoftが2003年にデモンストレーションした初期版と比べ、大幅に変更が加えられている。Vistaに新しいファイルシステム「WinFS」を搭載する計画は見送られ、新Webサービスアーキテクチャ「Indigo」や新グラフィックエンジン「Avalon」の実装方法も変わっている。
現時点で明らかになっているVistaの主要機能には、拡張されたセキュリティや新たな検索メカニズム、多数のラップトップ向け機能、ペアレンタルコントロール(視聴制限)、改良済みのホームネットワーキング機能などが含まれている。また、Avalonを採用したことで、光沢感のある半透明のウィンドウや、ドキュメントそのものを極小表示できるアイコンなど、視覚的にも変更が加えられた。Microsoftは企業におけるVistaの利用について、複数のPC上で容易に用いることができ、コンピュータを再起動する回数が減るため、コスト削減にもつながると述べている。
さらに、スパイウェア対策ツールや同社ウェブブラウザの次期バージョン「Internet Explorer 7」「Windows Media Player 11」「Windows Calendar」などが、Vistaに搭載される予定だ。Windows Calendarは、Windows XPにおける「Outlook Express」の電子メール向け機能と同等の働きをする、データブック情報用にデザインされた汎用ツール。
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