Gartner Groupは、Microsoftの次期オペレーティングシステム(OS)「Windows Vista」への乗り換え時期について、2度目のレポートを発表した。今回の発表によると、いまだにWindows 2000を使っている組織は、発売後すぐにでもVistaに移行すべきだという。
Gartnerは先頃、「企業ユーザーはMicrosoftのWindows Vistaに慌てて乗り換えるべきではなく、2008年までは慎重な態度を取った方がよい」とのレポートを発表したばかりだった(関連記事)。
同社は、Windows Vistaに関する2度目のレポートを発表した理由について、前回の内容が「誤解されているケースが散見された」としている。同社では前回のレポートを修正していないものの、(新しいレポートのなかで)2008年にVistaを導入したい企業は、それまでに膨大な量の作業をしなければならないと警告している。
GartnerのバイスプレジデントMike Silverは「システム移行は一朝一夕でできるものではない。法人がVistaを導入しようと思えば、その発売後にアプリケーションのテストを行ったり、独立系のベンダーに新OSのサポートを依頼したり、イメージをビルドしたり、パイロット試験を行ったりすることが必要になる。この作業を完了するまでに、ほとんどの企業では18カ月程度かかるだろう。2008年までVistaに関心を示さなかった組織は、新OSの導入が2010年以降になる」と述べている。
またSilverは「新しい調査レポートは、1回目のレポートに取って代わるものではない。新レポートでは、Windows Vistaに盛り込まれる機能については言及していない。われわれは、前回のアドバイスや推薦事項を修正したわけではない」と付け加えた。
なお、Gartnerが描いたVista導入スケジュールは、同OSを2008年には稼働し始めたいと考える企業を対象にしている。
Gartnerは、「Microsoft Windows Vistaクライアントに注目すべき/注目すべきでない10の理由」と題された1回目のレポートで、Microsoftのプラットフォーム戦略の弱点を強調した。1回目のレポートには、Vistaの改良点の大半はセキュリティに関したもので、そうした機能のほとんどが「今日ではサードパーティ製品で代用できる」と書かれている。
同社によると、Vistaには先行するWindows XPに比べて「付加的かつ革新的な改良が施されている」が、XPユーザーは「多様性を意識的に確保する戦略」--すなわち、 Vistaは新しいマシンにインストールするべきで、それも2008年まで準備期間をとったほうがよいという。
問題は、Windows 2000のユーザーだとGartnerは述べる。「Windows 2000を利用している企業は、MicrosoftがWindows Vistaの製造工程向けリリースを発表したら、すぐにでもシステム移行の準備にとりかかるべきだ。これらの企業はWindows Vistaが発売される前までに、重要なアプリケーションについてベンダーと話し合い、サポートスケジュールを立案するべきだ」
同社のアナリストらは、Windows 2000の導入企業に移行を勧める理由を次のように述べている。「ほとんどのアプリケーションは、最新版ではWindows 2000をサポートしない。また、MicrosoftによるWindows 2000の延長サポートが2010年半ばまでになっていることにも留意が必要だ」(同レポート)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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