米最高裁でのPtoP訴訟で、エンターテインメント業界に強力な援軍

John Borland (CNET News.com)2005年01月25日 18時39分
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 ファイル交換をめぐる最高裁での法廷闘争で、Bush政権の法務次官と、保守系の宗教団体キリスト教徒連合(Christian Coalition)が米国時間24日、エンターテインメント業界に肩入れする見解を示した。

 全米レコード協会(RIAA)や全米映画協会(MPAA)ならびに両団体の支援者らは、PtoPソフトウェア企業に対し最低限の法的制限しか科さなかった下級審判決を覆そうとしているが、24日は彼らが最高裁に反論を提出できる最終期限だった。

 エンターテインメント企業各社は下級審で、Groksterをはじめとするファイル交換ソフト企業は、PtoPソフトのユーザーらによる著作権侵害行為について法的責任を負うべきだと強く主張してきた。米法務次官の事務所も今回、長文の訴訟摘要書の中で、エンターテインメント企業側の主張と同様の考えを示した。

 同摘要書には、「PtoP技術が、著作権侵害行為の横行を招くことなく、さまざまな合法的用途に利用可能であることは疑いようもない事実であるが、これまでの記録は(ファイル交換ソフト企業が)大規模な著作権侵害を『呼び物』にした特別なPtoPネットワークを構築したことを示唆している」とあり、さらに「(ファイル交換ソフト企業は)PtoP技術に他の合法的用途があることを示しただけでは・・・法的責任を免れることはできない」と記されている。

 24日の夕方時点で、レコード業界と映画製作会社の団体が提出した同摘要書を直ちに入手することはできなかった。両業界団体は、25日早々に記者会見を開き、今後の戦略について説明する予定だ。一方、GroksterやStreamCast NetworksをはじめとするPtoP企業側には、2月末までこの主張に反論する時間が与えられている。

 今回の最高裁における裁判の焦点はファイル交換問題だが、同訴訟は今年、ハイテク業界で最も注目を集める法廷闘争の1つとなりそうだ。弁護士らによると、今回の訴訟の結果はソフトウェアメーカーやエンターテインメント企業だけでなく、事実上全ての家電メーカーやコンピュータメーカーに影響を与える可能性があるという。

 今回の訴訟では、ソニー製ビデオカセットレコーダ(VCR)の販売を合法とした20年前の最高裁判決が大きな争点となる。同判決は、たとえ違法目的に使用可能な技術でも、著作権を侵害しない多くの商業的用途が存在する限り、その技術の販売は合法としている。

 RIAAとMPAAは、この原則を覆そうとはしていないという。しかし、両団体の弁護団は、Groksterと、Morpheusの親会社であるStreamCast Networksが自社のネットワーク上で著作権侵害行為が蔓延している事実を認識しているのだから、その行為について法的責任を負うべきだと主張してきた。

 しかし2つの下級裁判所は、ファイル交換ソフト企業が個人ユーザーの行動を直接監督しているわけではなく、また個人間のやり取りについても直接知っているわけではないとして、エンターテインメント企業側の主張を退けた。

 24日に、少数の様々な分野の組織がエンターテインメント企業各社と共同で最高裁に摘要書を提出した。今回の訴訟では、通常では考えられないような組み合わせの企業・組織が手を組むことになった。

 Christian CoalitionやConcerned Women for America、Morality in Mediaを含むこれらのグループは、ファイル交換ソフト企業の法的責任を免除する下級審の判決が、「匿名で分散型の、フィルタリングを受けない追跡不可能なPtoPネットワークの急増につながる可能性があり、こうしたネットワークを利用した幼児への犯罪行為を容易にしたり、これらの犯罪の摘発や調査をねらった警察当局による取り組みを阻害することにもなりかねない」としている。

 Business Software AllianceやProgress and Freedom Foundation、さらに法学教授らのつくるグループもまたRIAAとMPAAの考えを支持する主張を行った。

 また、別の「中立的な立場」を取るグループらも、本件をめぐるさまざまな問題についての主張を提出している。

 米上院議員のPatrick Leahy(民主党、バーモント州選出)とOrrin Hatch(共和党、ユタ州選出)は、ファイル交換ソフト企業の弁護士が、最近の著作権に関する議論のなかで米国議会が果たす役割について触れた発言を問題にした。

 News.comを運営するCNET Networksを含む、インターネット企業のつくる団体は、ファイル交換ネットワークを利用した著作権侵害行為を肯定するものではないが、同時にソニーのVCRに関する最高裁判決がその後の重要な技術革新につながったことから、これを維持するよう求める書類を最高裁に提出している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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