「単にキャッシュを向上させるだけが技術革新ではない。メモリの拡張性やセキュリティ、信頼性、管理性などを上げ、業務効率や生産性の向上に結びつくようなテクノロジーを提供することがインテルの目指すところだ」。インテル 取締役 エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長の町田栄作氏は10月13日、同社の開催した「インテル ビジネス・コンピューティング アップデートミーティング」にてこのように述べた。
インテル 取締役 エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長の町田栄作氏
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インテルでは、メモリ拡張性を実現するテクノロジーとして、XeonにEM64T技術を採用したほか、将来的にはセキュリティ向上のためにLaGrande Technologyを、信頼性向上のためにVanderpool Technologyを採用するとしている。また同社は、管理性向上に向けて、Intel Active Management Technology(iAMT)という技術の採用を推進しているという。
iAMTとは、遠隔地でのシステム管理やシステム診断が可能となる技術。各企業のネットワークにつながっているPCにどのOSのどのバージョンが入っているか、セキュリティ対策はなされているかなどが、電源が入っていない状態においても遠隔管理できるのだという。ソフトウェアのみで管理する際には実現できない電源オフ状態での管理が、ハードウェアレベルで機能をサポートすることにより実現できるという。
インテルではこのほかにも、プラットフォームの価値を上げる技術としてハードウェアアシストによる仮想化を実現するSilvervale Technology(ST)を提供するとしている。現在すでにソフトウェアの仮想化技術はVMwareなどから提供されているが、「仮想化ソフトをより早く動かすことができるのがSTだ」と、インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォームマーケティング プロダクトマネージャの廣田洋一氏は説明する。
廣田氏は、ItaniumとXeonの位置づけの違いについても説明している。両プロセッサ共に64ビット対応となったが、同氏は「もともとRISCアーキテクチャを採用している場合の移行の選択肢としてItaniumが最適だろう。Itaniumは基幹業務向けの64ビットアーキテクチャで、パフォーマンス、信頼性、拡張性においてRISCに匹敵する。さらにItaniumはさまざまなOS、ソフトウェア、ハードウェアが選択可能なため、RISCと比較しても費用対効果が高い」という。いっぽうのXeonは、「IA-32を採用している場合の最適な移行選択肢となる。32ビットアプリケーションでの高い性能が保証されるとともに、64ビットもサポートするため、価格性能比と信頼性に優れたメインストリーム向けのアーキテクチャだ」と説明する。「これら2種類の64ビットアーキテクチャは補完関係にある。これでエンタープライズサーバ市場に包括的に対応できる」(廣田氏)
2005年に登場する予定のMontecitoでは、PellstonやFoxtonというテクノロジーも採用される予定だ。Pellstonとは、ハードウェアによるキャッシュメモリエラーの際、自動的にキャッシュラインを無効にする技術で、Foxtonとは、アプリケーションの消費電力に応じてプロセッサが動的に性能を最適化する技術だ。
インテルでは、今後もCPUにとどまらず、プラットフォームレベルで顧客価値を高めることのできる技術を提供するとしている。
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