サンフランシスコ発--Intelは、Itaniumプロセッサ向けの2つの新技術について説明を行い、また同プロセッサの品揃えを拡充していく計画を明らかにした。同社では現在このハイエンドサーバ用チップに追い風を吹かせるべくさまざまな試みを行おうとしている。
同社は今年中に、「Madison」と呼ばれるItanium 2チップの強化バージョンをリリースする予定。このチップは1.7GHzで動作し、9Mバイトの3次キャッシュを搭載する。Intelではこの超大容量キャッシュについて既に説明したことがあったが、動作速度のほうは明らかにされていなかった。現行のMadisonは、最大で6Mバイトのキャッシュを搭載し、動作速度は1.5GHz。通常、キャッシュの容量を大きくしてチップのクロック数を引き上げれば、処理性能は向上する。
さらに、同社はMadisonの廉価版であるFanwoodも投入する予定だ。Fanwoodは、現在販売されている1.5GHzのMadisonチップより高速な1.6GHzで動作し、3Mバイトの3次キャッシュを搭載する。Intelでエンタープライズプラットフォームグループのゼネラルマネジャーを務めるMike Fisterは、米国時間18日にIntel Developer Forumで基調講演を行ったが、同氏はこのなかで、Intelは1.6GHzバージョンより消費電力の少ない1.2GHzバージョンのFanwoodもリリースすると語った。
2005年には、同社は全く新しいItanium 2チップファミリーをリリースすると見られている。そのひとつである「Montecito」には2つのプロセッサコアと、24Mバイトの3次キャッシュが搭載される。もうひとつの「Millington」というチップはMontecitoの廉価版で、さらにこのMillingtonの低消費電力版も投入される。
MontecitoとMillingtonには、2つの新技術が搭載される。パワーマネージメント用のFoxtonと、キャッシュのデータエラー訂正用のPellstonだ。
さらには、Itaniumの後継モデルのうち、マルチコアプロセッサとなるTukwilaの低価格・低消費電力バージョンも、2010年頃までにリリースされる。Fisterによると、このチップには「Dimona」という開発コード名が付されているという。
今週開催中の同フォーラムでは、Itaniumの将来がメインテーマだった。ベンチマークを集計する複数の組織によると、複雑な64ビットコードの実行に特化した同チップを採用するサーバは、業界でも最速の部類に入る記録をいくつか達成しているという。
同チップは販売数も増加している。Intelの最高経営責任者(CEO)、Craig Barrettが17日に明らかにしたところでは、Itaniumチップは発売以来11万個以上が出荷され、その大半は昨年の出荷分だったという。
Fisterによれば、Itaniumの価格は急激に低下しているという。今後僅か数年のあいだに、Itanium搭載サーバの価格は、同じくIntel製のXeonプロセッサ搭載サーバとあまり違わなくなると同氏は述べている。
「私の予想では、2005〜2006年頃にはXeonとあまり変わらない価格で、しかも約2倍の性能を持つItaniumが出てくる」
しかし、サーバ市場では、標準的なWindowsやLinuxを走らせられるいわゆるx86チップがますます優勢になってきている。2003年第4四半期に出荷されたサーバの90%以上が、IntelのXeonやAMDのOpteronのようなx86チップを搭載したマシンだった。また、売上の点でもx86サーバは同市場全体の半分以上を占めるようになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス