Intelは来週行われる同社の開発者向けイベント「Intel Developer Forum(IDF)」でデュアルコア・プロセッサのデモンストレーションを行う。また同社は他の技術的取り組みについても詳細を発表し、現在の非常に厳しい環境を乗り切ることに役立てたいと考えている。
デュアルコアチップは、7日から9日までサンフランシスコで開かれるIDFの目玉のひとつとなりそうだ。同社と競合するAdvanced Micro Devices(AMD)は今週、自社のOpteronチップのデュアルコア・バージョンのデモをすでに行った。両社ともデュアルコアチップの量産に入るのは2005年半ばになると見られている。これらのチップは2つのプロセッサコアを内蔵することで、電力消費量の大幅な増大を避けながら処理性能の向上を実現できるとされている。
Intelは、IDFで少なくとも1つはデュアルコアチップを披露すると、同社コーポレート・テクノロジー・グループのバイスプレジデント、Frank Spindlerはいう。また、2005年後半に登場予定のXeonおよびPentiumのデュアルコア・バージョンについて、同社が開発コード名を発表するという他の情報筋の話もある。これらのデモは8日(米国時間)に予定されているが、7日午前中にあるPaul Otellini社長の基調講演のなかで行われる可能性もある。同氏はIntelの次期CEO候補だ。
このチップがデモに出てくるかは大きな問題だ。もしIntelがXeonもしくはPentiumのデュアルコア版を出してくれば、これらのチップがAMDのOpteron製品と直接競合することから、アナリストらは両社の開発の進捗状況についてほぼ互角との判断を下すことになりそうだ。その一方で、Itaniumのデュアルコア版しか公開されなければ、Intelのほうがわずかに後れを取っている証拠と見られかねない。Itaniumはいまのところあまり数がさばけておらず、またデュアルコアのItanium開発プロジェクトは予定より長く時間がかかっている。
「Itaniumのデュアルコアチップについては、以前にウエハが公開されていることもあり、今回出てきても意外性はない」とInsight 64アナリストのNathan Brookwoodはいう。「だが、Xeonのほうがデモに出てくれば、Intelでのデュアルコアチップ開発がこれまで考えられていたよりも進んでいるということになる」(Brookwood)
また、IntelはIDFを使って、数多くの製品開発の遅れを引き起こしてきた業務遂行上の問題について、その解決に取り組んでいることを改めて示すことになりそうだ。複数の情報筋の話では、一部の問題についてはすでに前進が見られるという。
「業務の進め方に関して、かなり根本的な改革が行われている。Intelはかなり高い確率で公約通りに製品を出荷できる状況にもどりつつある」と、Mercury Researchのアナリスト、Dean McCarronは述べている。
IDFで発表になるその他の目玉には次のようなものがある:
Otelliniや他の幹部は、LaGrandeやVanderpool、Silverdale(いずれも開発コード名)など、PC用プロセッサのセキュリティ機能と性能を向上させる技術について、アップデートを行うことになっている。これらの技術を利用するには、次期Windows「Longhorn」や他のまだリリースされていないOSが必要となるが、Longhornの登場は2006年まで待たなくてはならない。
発展途上国向けに販売される予定のSheltonチップについては、そのプロトタイプとなるチップの情報が明らかにされるかもしれない。昨年の同カンファレンスでは、Intelがこれらの市場に向けたチップの開発を検討していることをOtelliniが明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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