Microsoftは今週、オンラインの音楽販売市場に参入すると見られており、音楽業界を舞台にした同社とApple Computerとの戦いがついに始まることになる。
情報筋によると、iTunesに対抗するMicrosoftのサービスは、米国時間9月2日に予定されるWindows Media Player 10のベータリリース発表と同時に開始になるという。「MSN Music」というこのサービスは一部の機能を欠いた「ベータ」モードでスタートするが、これらの機能は後に追加されることになる。
同社の計画に詳しい人々の話では、MSN Musicはウェブベースの部分とMedia Playerソフトウェア内にある部分とを組み合わせたものになるという(Media Player内の部分は、Windows Mediaフォーマットを使って楽曲を配信するNapsterなどのほかのサービスとも共有される)。同サービスではまず99セントで音楽をダウンロード提供し、月極の定額サービスはほかのパートナー企業に任される。同サービスには、いずれは顧客同士のチャットといった機能も追加される。
MicrosoftのBill Gatesは先週、CNET News.comのインタビューに答え、「広告による収益とEコマースによる収益の両方が期待できる」と述べた。さらに同氏は、「利用者がネットでお金を払うことに抵抗を感じなくなれば、それらの顧客との関係づくりやEコマースで、一定のレベルに達する企業が出てくるだろう」と語った。
最近ではAppleのiTunesのようなデジタル音楽サービスに関心が集中しているが、Microsoftによるこの市場への参入は、楽曲の販売自体よりもむしろWindowsを考えてのことだ、とアナリストらは述べている。
Jupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenbergは、「Microsoftにとってこれは戦略的に重要な事柄で、Windows戦略全体の一部になっている」と説明する。「Microsoftは、自社のあらゆる技術を適切な形で披露し、オンラインでの音楽販売を強化して最新かつ極めて競争力の高いサービスにしておく必要がある」(Gartenberg)
だが実際には、Microsoftは音楽ビジネスの展開でどのライバルも経験しない障害に直面している。独占禁止法違反に対する不安から、ソフトウェアの顧客を常に満足させる必要性まで、同社のビジネスでは常にバランスが求められる。今回サービスの開始を決断したことは、同社の将来にとって、デジタルメディアがいかに重要な存在になったかを浮き彫りにしている。
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