Microsoftは今年夏にコピー防止用ソフトウェアを公開する見込みだ。これにより、利用無制限のサブスクリプションサービスでレンタルした楽曲が、初めてポータブルデジタルミュージックプレイヤーでも利用可能になる。業界幹部のなかには、これがオンラインの音楽配信ビジネスに大きな影響を与えることになると考えている者もいる。
情報筋によると、「Janus」という開発コード名で、本来は1年以上前に登場する予定だったこの技術は、先日テスト版が開発者向けにリリースされ、早ければ7月にも最終版がリリースされる予定だという。
Janusは、Microsoft独自のWindows Media Audioフォーマットでエンコードされたファイル用として、ハッカーにもいたずらできない時計機能を携帯音楽プレイヤーに追加する。これにより、現在では不可能なNapsterなどのサービスからレンタルした楽曲を、ポータブルプレイヤーで転送することが可能になる。ユーザーは、1曲あたり約1ドルで楽曲をダウンロードするかわりに、1カ月10ドル程度を支払って数十万曲の音楽にアクセスできるようになる。
これまでのところ、サブスクリプション形式のオンライン音楽配信サービスで成功を収めているところはわずかしかないが、音楽業界幹部のなかには、Janusによって楽曲のレンタルも消費者に対する魅力度を増し、Apple ComputerのiTunes Music Storeなど、1曲単位のダウンロードサービスと十分対抗できるようになると考えている者もいる。
ハードウェアメーカーでも、このソフトがあれば、AppleのiPodプレイヤーに対抗できると考えている。現在、iPodはレンタル音楽サービスをサポートしていない。Janusのリリースを見込んで、SamsungをはじめとするMP3プレイヤーメーカー各社は、既に一部のハイエンド製品で同技術をサポートすると宣伝し始めている。
Virgin Recordが新しく設立したオンライン音楽事業部、Virgin Digitalの社長を務めるZack Zalonは、「Janusが登場すれば、消費者に向けて新たなタイプの経験を提供するための基盤となるプラットフォームがついに手に入る」と述べている。「これこそ我々が待ち望んでいたものだ。そして、これこそ消費者がほしがるものだ。我々は音楽に対する消費者の考え方を変えるにあたって、大きな役割を演じたい」(Zalon)
同プロジェクトに関与するMicrosoftの幹部は、この技術のリリースに関する詳細を認めていない。Microsoftのデジタルメディア事業部グループマネージャーのJason Reindorpは電子メールによる声明のなかで、「これまでにも説明していたように、無制限にダウンロードできる音楽がコンシューマーデバイスで利用できるようになれば、デジタルコンテンツの流通手法や楽しみ方に関する新たな可能性が現れることになる」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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