富士通の次世代金融営業店ソリューション、受注目標は3年間で600億円

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年08月25日 18時34分

 富士通は25日、同社が今年2月に発表した次世代金融ソリューション体系の一環として、金融機関の営業店におけるリテール戦略を支援するための「次世代金融営業店ソリューション」を提供すると発表した。同社経営執行役の箕田好文氏は、「金融機関はリテール取引を強化しており、そのうえで営業店は重要な戦略拠点となる。営業店におけるセールス活動の高度化やセキュリティ強化、システム投資の効率化を支援するための基盤がこのソリューションだ」と説明する。

富士通 経営執行役の箕田好文氏

 同ソリューションは、同社が従来から提供している金融機関営業店向けアプリケーション基盤「FBC/ITFパッケージ」の機能を拡張したもの。最新セキュリティ技術を採用し、機能追加などを容易にするシステム構造であるHUBアーキテクチャに対応するとともに、J2EEやXMLなどの標準技術への適応を行った。Linuxを含む様々なOSで動作し、他ベンダーのオープンプラットフォーム上でもシステム構築が可能となる。

 ソリューションの構成要素は、セールスソリューション、事務ソリューション、セキュリティソリューション、コンサルティングの4種類。

 セールスソリューションは、顧客に合った金融商品の組み合わせを一括して提供するために、社内システムのみならず提携先他業態システムとも連携した情報を表示できるようにする。複数の窓口やウェブサイトなどの情報が集約されているため、顧客に高度なサービスが提供できるようになるという。

 事務ソリューションでは、先行ユーザーのノウハウをコンポーネント化して提供する。基本事務処理、イメージワークフロー、オペレーションガイドなど、すぐに使える機能を充実させ、必要な機能を選択することでカスタマイズを最小限に抑えることができる。これにより、従来の開発期間より最大50%の期間短縮が可能になるという。

 またセキュリティソリューションでは、ネットワークのセキュリティ機能に加え、バイオメトリクス認証、不正アクセス防止、セキュリティチップ装置認証機能、セキュアファイリング、個人情報保護法対応といった機能を強化するという。

 コンサルティングにおいては、営業店に向けたコンサルティングとして、営業・事務戦略から人事、店舗、システムまでのトータルコンサルティングを提供する。また、流通業界などで富士通が培ってきたノウハウを基に、営業力強化やディザスタリカバリ、IT投資マネジメントなどのコンサルティングを提供するという。

 現時点で富士通は、金融機関向けシステムの導入において約38%のシェアを握っているという。同社では今回のソリューションの受注目標を今後3年間で600億円としており、シェアについても約5%向上させたいとしている。

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