CEO交替でインテルは変わるのか

Charles Cooper (CNET News.com)2004年08月19日 10時00分

 Intel社長のPaul Otelliniは来春、現CEOのCraig Barrettの後を継いで、同社の5代目のCEOに就任する。

 1974年にIntelに入社したOtelliniは、次期CEOの座を勝ち取った喜びをかみしめているに違いない。技術畑の出身でない人物がCEOに就任するのは、Intel創業以来、初めてのことだ。しかし、喜んでばかりはいられない。Otelliniの次の任務は、度重なる失態で失った地歩を取り戻すことだからだ。

 この夏、Intelは設計上の問題から、Pentium M搭載ノートPC用チップセットの出荷を延期した。さらに、最新のノートPC用プロセッサPentium Mの出荷時期も、当初予定していた1〜2月から5月へとずれ込んだ。

 最新のPentium 4チップ「Prescott」の供給も筋書き通りにはいかなかった。出荷そのものは予定通り--それどころか、当初の目標よりも早い2003年末にPCメーカーに出荷されたものの、これを搭載したPCが市場に出回るようになったのは、年も明けた今年2月のことだった。

 製造上の問題から、Intelはコントローラハブチップのリコールも余儀なくされた。このリコールは、デスクトップ用チップセットIntel Express 900シリーズの出荷スケジュールに影響を及ぼした。

 CEOのBarrettは度重なる失態に業を煮やし、全社に宛てて、気を引き締めて計画の遂行にあたるよう呼びかけるメールを送った。

 しかし、一時的な発売延期や製造上の問題を別にすれば、Intelは今でもチップ市場のリーダーだ。なかでも、PCプロセッサのシェアは82%を超えている。CNET New.comは先日、Otelliniにインタビューを行い、来年に予定されているCEO交替、そしてIT分野の今後の注目テーマについて話を聞いた。

--技術者でない人物がIntelのCEOになるのは今回が初めてです。この人事によって、Intelは様変わりするのでしょうか。

 そうならないことを祈っています。私は製品畑の人間です。Intelに入社して30年になりますが、ファイナンス部門に籍を置いた5、6年を除けば、一貫して製品開発とセールス、マーケティングに携わってきました。製品が好きなのです。製品に関する意思決定には深く関わっています--一部の技術者はうるさいと思っているかもしれませんがね。

--あなたはどんなCEOとして、Intelの歴史に名を残すことになるのでしょうか。折しも、Intelはデジタルホーム市場に進出しようとしています。

 ずいぶんと気の早い質問ですね。それはまだ誰にも分かりません。1ついえることは、IntelのCEO交替は常にスムーズに行われてきたということです。Bob (Robert Noyce)、Gordon(Moore)、Andy(Grove)、そしてCraig(Barrett)--CEOが交替したことによって、会社が劇的に変化したことは一度もありません。

--では、当座の目標は。

 IntelをIntelたらしめているものを変えることなく、CEO交替を成し遂げることです。経営のスタイルは違っても、IntelのCEOには勤続20余年という共通点があります。歴代のCEOはみな、社歴の長いベテラン社員でした。

--現在のIntelは8万人、またはそれに近い数の社員を抱える大企業です。5〜10年前の企業家精神は今も健在ですか。

 30年前と比べてという質問であれば、「いいえ」と答えたでしょう。当時と今とでは、ビジネスの規模がまったく違いますからね。しかし、5年の差はわずかです。製品に対する姿勢はほとんど変わっていません。

 しかし、新しいアーキテクチャの研究、統合、製品化という面では、はるかに向上しました。この20年間はひたすらマイクロプロセッサの性能向上に努め、記録を塗り替える新製品を次々と世に送り出してきました。現在のテーマはリソースの有効活用です。この研究はIntelに長期にわたる強力な競争優位を与えるものとなるでしょう。

--今後の課題を教えてください。PC以外の市場に進出するということは、Craig Barrettが経験しなかった問題に直面するということでもあります。

 標準にのっとった製品を、ムーアの法則に従って提供すること--これが新しい市場におけるIntelの基本的な使命です・・・これはIntelが30年前に、コンピュータ市場で掲げたのと同じものです。

 家電の世界が、コンピュータ市場と大きく異なるとは思いません。プロトタイプを提示し、アーキテクチャを語ることに変わりはない。一年半前、われわれはDigital Home Working Group(DHWG)という団体を発足させました。この団体には大手の家電、コンピュータ、ソフトウェアコンテンツ企業がこぞって参加し、「2年後には機器の相互接続性が求められるようになる。そのための標準を定めなければならない」と宣言しました。そのためには、何をすればいいのでしょうか--最初に議論しなければならないのは「どう協調するか」です。ここから、共通の対話やビジネスモデルが生まれてくるのです。

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