Intelは、21日(米国時間)に発売したデスクトップPC用の新チップセット、Express 915および925のコントローラーチップに製造ミスが見つかったとして、同製品を回収している。
この製造ミスは、「ICH6チップ」に電気的障害が生じるもので、Intelでは「fab excursion」と呼ばれている。Intelの関係者は25日に、この問題が原因でコンピュータがフリーズしたり、立ち上がらなくなったりする恐れがあることを明らかにした。ICH6(統合型コントローラハブ6)チップは、チップセットと連動し、デスクトップPCのデータ入出力を制御するもの。
Intelは、ある顧客から、PCが動作しなくなる現象についての通知を受けて、このコンポーネントとそれを採用したコンピュータが21日に発売される前に、このミスを発見できたと述べている。同社はこのチップを分解するなどして調査を行った後に、影響を受けるチップが含まれる可能性のあるICH6製造ロットを購入した顧客と連絡を取り始めたと、同社広報担当Howard Highは説明している。Intelは対象となる顧客に、製品を送り返すよう求めている。
ICH6の製造ミス問題は、「HardOCP.com」というコンピュータファンサイトで最初に報告されていた。
Intelでは、比較的早期にこの問題を発見できたため、影響を受けるマザーボードやパソコンの数もごくわずかだとしている。だが、この影響で新チップセットの魅力がやや陰ってしまうおそれはある。Intelのある幹部は、915と925チップセットについて、過去12年間に同社が発売したなかで最も重要なプラットフォームだと述べたことがあった。
Intelでは、この製造ミスを含むチップは同社独自の供給ネットワークやPCおよびマザーボードメーカーの間で流通されたと考えており、欠陥のあるICH6チップを含むPCやマザーボードが消費者や企業の手に渡った可能性は低いと、Highは述べている。
Intelで、広範囲に影響する製造ミスが生じることは珍しい。同社は自らの製造工程に誇りを持っており、同社の製造工場ネットワーク全てで同一のチップ製造プロセスを実施する「copy exactly」と呼ばれる方法を採用している。
PC内部の問題の原因となるチップ設計のミスのほうが、製造ミスよりも頻繁に報告されている。たとえば2000年には、チップセットの設計ミスが原因で初代Pentium 4の発売が延期されたことがあった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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