レッドハットCEO:「マイクロソフトもノベルも身が縮むほど恐い」 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News.com)2004年08月12日 10時00分
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--大企業というと、具体的には?

 Red Hatよりも大きくて、抜け目のない企業はいくらもあります。

--先週、そうした企業の1つであるMicrosoftがシアトルでアナリスト会合を開き、特許件数を大幅に増やす意向を明らかにしました。Red Hatにとって、Microsoftの特許は脅威ですか。Microsoftの行動は、どの程度オープンソース陣営を意識したものなのでしょうか。

 われわれが問題視しているのは、特許の認定・授与プロセスであって、特許そのものではありません。これはソフトウェア特許に限った話ではなく、同様の動きは他の分野でも出てくると思います。著作権の取得を目指す教師もいます。提訴や著作権侵害の可能性があるのに、先進的な医療研究を続けることができるでしょうか。こうした例は枚挙にいとまがありません。では、これは脅威かというとそうとも限らない。特許の取得が可能なものが明示されていて、認定の仕組みも十分に正当化できるものであるならば、対策を講じることは可能です。先ほども申し上げた通り、現在のソフトウェア特許には明確で一貫した認定プロセスというものがありません。ソフトウェアの性質や、国境にとらわれないオープンソースソフトウェアの開発手法を考えると、現在の特許システムには違和感を覚えます。

--Red Hatは自己防衛の目的で特許取得に動いてますね。どれくらいの特許を取得していますか。

 他社に比べれば、こぢんまりとしたものです。われわれの目的は特許を取得することではありません。特許を濫用する競合企業によって、オープンソースの創造性や発明が阻まれることのないよう、しかるべき手を打とうとしているだけです。

--特許の濫用が、オープンソースの哲学を脅かしていると。

 消費にお金がかかるようになっていることも大きな脅威です。製品やサービスを有料で購入している人々も脅威です。それから業界の競争も。業界は今、重大な過渡期を迎えています。

--「消費」というのはどういう意味ですか。

 人々がRed Hatやその他のオープンソース企業の製品やサービスを購入することです。

--Red Hatは設立以来、常にMicrosoftと敵対関係にあると目されてきました。現在のRed Hatは他社に投資をするまでに成長しました。ところで、SunのJonathan Schwartz がNovell買収をほのめかしたことをご存じですか。今後、Red HatがIT市場で生き残るためには、やはり大型の買収、提携、あるいは大企業との合併が避けられないのでしょうか。

 Schwartzのコメントはつい最近知りました。この手の買収話は絶えることがありませんね。おかしな時代です。われわれも過去に14回以上、買収を経験しました。しかし、恥ずかしいことですが、そのすべてが大成功を収めたとはいえません。私自身は、ソフトウェア業界における買収の有効性をかなり疑問視しています。

 われわれがしなければならないことは、堅実な経営を維持することであって、買収にうつつを抜かすことではありません。買収は利益を生むとは限りませんし、大規模な組織統合を余儀なくされる恐れもある。そんなことになれば、会社は混乱し、製品の出荷もおぼつかなくなるでしょう・・・買収の可能性を完全に否定するわけではありませんが。

--でも、特に積極的でもないと。

 ええ、個人的には。

--今回のNovell騒動では、IBMがRed Hatという小さな怪物を生み出したという主張も飛び出しました。IBMは過去2年間にわたって、Red Hatを支援してきましたが、そのおかげでRed Hatが独占的なシェアを築くようになったというわけです。その後、IBMはNovellに資金を提供しました。今回のSunの発言は、Red Hatの市場独占を恐れるIBMが、Novellを買収するのを防ぐための牽制ではないかと見る向きもあります。このシナリオについてどう思いますか。

 John Wooden(UCLAバスケットボールチームの元コーチ)のセミナーに参加したことがあります。Woodenは常にチームの能力をフルに引き出すことを考えた名コーチでした。そうしたとんでもない憶測が公に語られることになるとは、いささか驚いてしまいます。いずれにしても、人間は自分の決断に責任を持つべきだと思います。また、これらの企業はオープンソースコミュニティで自社がどんな役割を果たすべきか、あるいは果たすべきでないかについて、独自の長期戦略を持っているはずです。企業は自らの決断に責任を持たなければなりません。

--Linux市場には十分な競争があると思いますか。

 ええ、たっぷりと。

--しかし、MandrakeやDebianに対応した独立系ソフトウェアベンダ(ISV)が、Red Hat Enterprise Linuxに対応したISVより多いということはなさそうです。また、Red Hat製品の価格や顧客数からいっても、Red Hatが独占的なプレイヤーでないと主張するのは無理がある。これは健全な状況でしょうか。また、こうした状況はこれからも続くのでしょうか。

 CNETのライバルはどこですか。

--いくつかありますね。

 では、われわれは同じ境遇にあるわけだ。違いますか。

--それは違うでしょう。CNETのシェアは55%もありませんよ。

 時計の針を戻してみましょう。5年前、当社は幸運にも株式公開のチャンスに恵まれ、多額の資金を調達することができました。当時はたくさんのライバルがいました。LinuxCareもそうですし、VA Linuxもそうです。SCOの前身であるCalderaも、1997年には大きな力を持っていました。Calderaの懐にはRay Noordaの資金がうなっていたし、たくさんのISVとも提携していた。経営次第で、勢力地図はどうにでも変わるはずです。

 市場シェアや独占というのは、ある面では資金力の結果だというのが私の持論です。グローバル企業になるためには、莫大な資金がいるのです。

 Red Hatの市場シェアが50%に達しているからといって、当社の経営陣や取締役が慢心し、「俺たちは切れ者だ」などとふんぞり返ることはありません。われわれはレッドモンドの住人(Microsoft)のことも恐れているし、ユタ州プロボの住人(Novell)のことも恐れている。身が縮むほどにね。この市場では日々、熾烈な競争が繰り広げられているのです。

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