Linuxディストリビュータの米Red Hatが14日(米国時間)、同社の最高財務責任者(CFO)Kevin Thompsonの辞任を発表した。四半期決算発表を3日後に控えた同社からの発表に、周囲からは驚きの声が上がっている。
Red Hat の発表によると、同社に4年間勤務してきたThompsonは「他に活躍の場を求めて」同社を去るという。ただし、同氏は後任が見つかるまではCFOとして同社での仕事を続け、引継ぎがスムーズに進むよう協力するという。
今回の発表のタイミングについて、アナリストらは先行きに不安を感じさせるものだ、と指摘する。Jeffries & Coの証券アナリストKatherine Egbertは「発表には驚いた」と述べ、さらに「四半期決算発表の3日前に発表されたことは、投資家らに疑念を抱かせる」と語った。
調査会社Technology Business ResearchのBrooks Grayも同様の懸念を表明している。「これは明らかに危険信号だ。今週同社の決算発表が行なわれることになっているが、今後も同社を注視していく必要がある。最近は特にソフトウェア業界で幹部職の募集が数多く出ており、恐らくThompsonももっと大きな船に乗り移ろうとしているのだろう」(Gray)
Red Hatは今年3月、500万ドルの純利益を計上し、さらに主力製品「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」の年間契約販売高が大幅に伸びていると発表した。同社は17日に2005年度第1四半期の決算発表を予定している。
Linux販売最大手のRed Hatは、NovellやMicrosoft、Sun Microsystemsといった企業との競争にさらされている。また同社はUnixとLinuxの関係をめぐり、SCO Groupと裁判で争っている。
Red Hatは1月に債券発行により6億ドルの資金を調達した。また、昨年12月にはSistina Softwareを買収している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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