Red Hatは米国時間13日、過去3年度分の決算内容に修正を加えたことと、米証券取引委員会(SEC)から問い合わせの書簡を受け取ったことを発表した。同社では、これらの財務上の問題について、偶然に時期が一致しただけで関連はないと述べているが、株価のほうは大幅な値下がりを見せた。
同社は、Linuxのサポート契約売上を、月割りでなく日割りで計上するよう変更したが、過去3会計年度分の決算修正は、この変更を反映させたものだという。これにより、Red Hatの売上高は変わらないものの、同社がLinuxの年間サポート契約から得る売上を計上できるタイミングが遅くなる。Red Hatは、社外監査法人のPricewaterhouseCoopersが6月にこの問題を取り上げたことを受けて、この変更を行った。
Red Hatはこの修正した財務報告書を公開したが、もうひとつの大きな発表--つまり、同社のアニュアルレポートに関して、SECから「意見書」の書簡が届いたことについては、そのことにどんな含みがあるのかをはっきり説明しなかった。Red HatはSECの質問やコメントの内容は明らかにしていない。
Red Hatの株価は昼間の取引で4ドル63セント下落し、23%安の15ドル72セントをつけた。
Red Hatは1カ月前、決算発表を3日後に控えてCFO(最高財務責任者)のKevin Thompsonが辞任すること発表したが、これを聞いた投資家たちは異変に感づいていた。そして、Red Hatはすでに新しい売上計上の仕方に切り替えていたにも関わらず、決算発表を行った電話会議の中では、この変更を話題にしなかった。
Jeffriesの証券アナリスト、Katherine Egbertは、売上高の修正自体は大したことではないが、SECから書簡を受け取ったことと、Red Hatの評判に傷が付いたことは重大だと述べている。
「CFO辞任の発表があってから1カ月間も会計上の変更が公表されなかったというのは、Red Hatの信用を傷付けるものだ」とEgbertはいう。さらに、SECの意見書は「特にめずらしいもの」ではないが、監督当局からの問い合わせは真剣に受け止める必要があるという。「SECはふつう、企業とむだ話をしたりはしない」(Egbert)
これに対し、同社CEO(最高経営責任者)のMatthew Szulikは、インタビューに答え、同社はこれまで誠実な対応をしてきており、業績も好調で、また2つ出来事には特に関連性はなく、さらにこれ以外に財務上の既知の問題はないと語った。
Szulikは、Thompsonの辞任発表と売上計上方法の変更の時期が重なったのは「全くの偶然」で、「われわれが受け取ったSECの意見書は、決算の修正とは無関係」だと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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