あなたのパソコンは安全か--PCに付着するほこりに有害物質

Matt Hines(CNET News.com)2004年06月04日 19時11分

 コンピュータやその他の電子機器の上に蓄積するほこりに含まれる化学残留物についての新たな研究が発表されたが、それによると、今読者の皆さんがこの記事を読むのに使っているパソコンが長期的に健康を害する恐れがあるという。

 コンピュータに関する環境/健康問題を研究するClean Production ActionとComputer TakeBack Campaignの2団体が発表した報告書によると、複数のコンピュータから採取したほこりのサンプルから、潜在的危険性のある臭素化難燃剤(BFR)の成分が発見されたという。今回の研究では、BFRの中でも最もよく目にし、難燃剤として広く利用されているポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)が原因で、実験用動物に健康障害が生じたことがわかった。

 さらに、動物実験で生殖機能や神経系への危険性が証明されているPBDEが依然として環境の中に残存し、食品や動物、人間を汚染し続けているという同報告書の主張は、大きな不安を呼ぶ点だろう。 研究者らによると、PBDEの脅威が最も深刻なのは北米で、同地域では、母乳に含まれる化学物質の濃度が世界で最も高く、米国民の体内に含まれるPBDEの濃度は2〜5年毎に倍増しているという。

 ここで留意すべきは、PBDEがコンピュータに限らず、テレビ、ラジオといった標準的な家庭用電子機器にも広く利用されている点だ。また、たしかにPBDEが動物の健康障害の原因となることは分かっているが、同物質の人間に対する危険性を示す決定的な研究結果はまだ発表されていない。

 現在、パソコンメーカー各社は使用済みコンピュータのリサイクルを目指した取り組みを強化しているが、今回のPBDEについての報告書はそうした状況で発表された。他の家電製品を使った同様のテストでも、潜在的有毒性を持つ物質がコンピュータの場合とほぼ同程度発見され、さらにブラウン管テレビなどが環境に及ぼす危険性の方が高い可能性があることが認識されているにも関わらず、今回、研究者らが研究対象にあえてコンピュータを選んでいる理由は、米国各地の埋立地に廃棄される使用済みパソコンの量が急増しているからだという。

PCリサイクルは依然、限定的

 調査会社IDCによると、Dell、Hewlett-Packard、IBMの世界三大PCメーカーが2003年に出荷したパソコンの総台数はおよそ6000万台であるという。3社はいずれもPCのリサイクルプログラムを提供しているが、実際に回収されているPCの台数は依然少ない、とアナリストらは指摘する。さらに、処理しなければならないPCの在庫も増加している。米環境保護局は、2002年から2007年の間に廃棄されるPCの台数が2億5000万台に達すると予測している。

 2003年のPC出荷台数が2600万台に達したPC販売最大手のDellが昨年語ったところによると、12年前に最初のリサイクルプログラムを策定して以来同社が販売してきたPCのうち、実際に回収できたのはわずか200万台だったという。Dellは先月、回収する材料の量を2005年度中に重量ベースで5割増やす計画を発表した。同社が、2004年度(1月30日締め)にリサイクル用として回収したPCの重量は3500万ポンドだったという。

 Dellの関係者によると同社は2002年以来、自社製品へのPBDEの使用を一切禁止しており、今回の報告書を支持しているSilicon Valley Toxics Coalitionなどの団体と緊密に連携してPCリサイクルの推進を支援しているという。Dellの広報担当Bryant Hiltonによると、同社は各リサイクルプログラムを、今より低コストにすることと、消費者にとってもっと利用しやすい制度にすることを目指しているという。

 今回のPBDEに関する研究は、Computer TakeBack CampaignとClean Production Actionが、大学のコンピュータ室や立法機関のオフィス、子供向けの博物館など8つの州の公共の場所に設置されているコンピュータモニターから採取したほこりのサンプル16種類を使って行なわれた。上記の2つの組織は、人間がさらされている有毒物質に対する取り組みについて、米国が欧州に遅れを取っていると確信している。欧州連合(EU)はすでに、家電製品に使用されている全てのPBDEの使用を2006年までに段階的に廃止するよう各メーカーに求めている。

 Computer TakeBack Campaignの代表者らは、PC以外の機器メーカーより先に、まずPCメーカーを追及のターゲットにする理由は「単純明快」だと語る。

 Clean Water FundのキャンペーンマネージャーKara Reeveは「コンピュータは量の点からいって、環境への脅威が最も急速に深刻化しており、地方自治体の処理予算や埋立地において最大の負担となっている」と指摘する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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