間もなく「地球の日(4月22日)」が到来するが、Dellやその他のPCメーカーは、企業や消費者が使用したコンピュータ機器をリサイクルする取り組みを強化している。
Dellはこの5月に、コンピュータ機器のリサイクル量を重さにして50%増加させるという目標を発表し、併せて、目標達成に向けた具体的なアクションを明らかにすると、同社の「持続可能な事業」運動のディレクターPat Nathanは語る。
リサイクル目標を公表することにより、DellはライバルのHewlett-PackardやIBMらに対し、同社に追随するようプレッシャーを与えることになりそうだ。これにより、さらにリサイクルが奨励され、PC業界全体のリサイクルトレンドを測定するデファクト手法の確立につながる可能性がある。また、環境汚染問題が深刻化していると主張する環境運動家や議員からの、業界対応の遅れに対する批判を抑えることにもつながるかもしれない。
共通の測定手法を規定すると(多くの場合は収集した機器の重量を基準に測られる)、リサイクルへの取り組みを投資家や消費者が監視しやすくなり、ひいてはリサイクル活動の前進につながるとCalvert GroupのアナリストJulie Friederはいう。このような共通の測定手法なしには、リサイクルの全体的進捗を評価することは難しいと、アナリストらは口をそろえる。
PCメーカー各社も、リサイクル問題に対する企業側の意識向上が必要があることに気付き始めている。企業は「システムの最大のユーザーであり、3社に1社は電子機器を捨てることに悪気を感じないと述べている」とNathanは言う。
Dellの取り組みは、同社にとっても大きな変化といえる。ほんの2年前まで、同社はCalvertのようなグループから、PCを十分にリサイクルしていないとして批判されていた。また、刑務所の労働者を使って古い機器を解体するDellの行動に対して、非難の声が上がり、Dellはこの作業を中止したこともある。
Dellはそれ以降、リサイクル目標を設定するため、CalvertやAs You Sow Foundationなどの団体と共同で取り組みを進めてきた。Calvertは2002年からDellにリサイクル活動の必要性を説き始め、電子廃棄物に対するリスクや責任に対応しないことは自社株主を傷つけることになると主張してきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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