半導体メーカー各社は、製品に使用する鉛を削減する取り組みをはじめた。
IntelとNational Semiconductorは7日(米国時間)、多くの製品から鉛を排除することをそれぞれ発表した。鉛は、パソコンの回路基盤やCRT(ブラウン管)モニタが不法投棄された場合に健康問題を引き起こすとして、環境保護やそのほかの団体から問題視されていた。
Intelによると、同社は鉛を使わないマイクロプロセッサやチップセットを第3四半期に出荷する予定で、また組込用プロセッサについては第2四半期に無鉛のものに切り替えるという。同社は昨年初めて、無鉛のメモリーチップを発表している。
一方、National Semiconductorは、ICチップ製品への鉛の使用を、今年終わりまでに段階的に廃止すると述べた。同社のICチップは、Samsung製フラットパネルディスプレーをはじめとする製品に採用されている。同社はまた、臭素やアンチモンを含む発火抑制剤の使用も減らす予定だ。これらの物質も健康に害をもたらす可能性があるとされている。
Advanced Micro Devices(AMD)でも、無鉛製品の開発に取り組み始めている。これは欧州の法律が2006年7月までにすべての電子製品から鉛を排除するよう求めていることを受けたものだ。
鉛は電子部分の接合に使うはんだの主要な原材料として長年使用されており、今後もしばらくは半導体製品にわずかながら使用され続けるだろう。はんだの材料は、これまでの鉛とすずから、すずと銀、銅の合金に置き換えられることになっている。
鉛という材料は、特にCRT(ブラウン管)モニタへの使用で問題視されてきた。CRT(ブラウン管)モニタの投影面はほとんど別の材料に置き換えられたが、CRTの他の部分への使用については代わりの材料がなかなか見つかっていない。電子製品に使用される有害な物質を取り締まるために、これまで数多くの法案が提出され、そのうちのいくつかが法律として制定されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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