Oracleは今夏、統合ソフトウェアの売上を伸ばす戦略の一環として、企業の各部門から情報を収集しやすくするツールの発売を計画している。
同社は「10g Application Server」と「Oracle E-Business」アプリケーションスイートで、「business activity monitoring」という新機能を追加したアップデート版の準備を進めていると、OracleのシニアバイスプレジデントThomas Kurianが13日(米国時間)明らかにした。同氏はこのbusiness activity monitoring(BAM)について、企業システムから収集したデータをアプリケーションにフィードして、事業活動の状態を把握できるようにするツールだと説明している。
Oracleではこのモニタリングツールを、既存のビジネスインテリジェンス製品と組み合わせる意向だが、これにより企業顧客は調達の進捗状況など進行中の事がらを追跡したり、サプライヤの納品実績など関連する履歴情報を分析したりできるようになる(Kurian)。
この新データ収集ソフトウェアの発売は、ソフトウェア統合ビジネスの売上を伸ばすためのOracleの戦略の一環だ。
Oracleは今年1月に、Customer Data Hubを発売した。これはWebサービスとよばれるXMLベースのプロトコルを用いて、顧客情報を中央管理する統合ソフトウェアで、スタンドアロン型の製品として販売されている。また同社は今年に入ってから、サーバベースのトランザクション・ソフトウェアスイート、Oracle 10g Application Serverのアップデートをリリースしている。
企業にとって、異種システム間での情報共有のコスト効率を高めることは長年の課題であり、またそのために何十億ドルもの投資を行っている。Kurianによると、企業の多くは既にパッケージアプリケーションを購入したり、カスタムアプリケーションを構築するなどして、製造や人事など複数のビジネスプロセスを個別に自動化しているという。企業は現在、複数のコンピュータシステムをまたぐ「事業間のビジネスプロセス」を自動化したいと考えているとKurianは説明している。
Oracleは顧客がより複雑なビジネスプロセスを自動化できるようにするため、Business Process Execution Language(BPEL)というWebサービスプロトコルをベースとした、プロセスモデリングツールとワークフロー自動化ソフトウェアを今年リリースした。Oracleの顧客はTibco SoftwareやWebMethods、SeeBeyond Technologyなどの統合ソフト専門メーカーの製品の代替となる、標準ベースの統合製品を求めているとKurianは語った。
Oracle以外に、IBMやBEA Systems、Microsoftなどでも同様のサーバベースのアプリケーションを販売しており、これらのシステムではBPELベースのワークフローソフトを使っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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