マイクロソフトとSAP、ウェブサービス分野で連携強化

Mike Ricciuti(CNET News.com)2004年05月12日 20時01分
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 Microsoftとビジネスソフトウェア大手のSAPは12日(米国時間)、Webサービスを使って両社製品を統合するための広範な提携を行うと発表した。

 Microsoftの幹部によると、今回の提携はMicrosoftの.Net開発ソフトとSAPのNetWeaver統合サーバとの連携強化を目指したもので、これによりSAP製ビジネスアプリケーションとMicrosoft Officeや他のWindowsベースのソフトとを、これまでより容易に統合できるという。

 両社の提携は12日にニューオーリンズで開催されるSAPのユーザーカンファレンス「Sapphire」で一般に発表される。今回の提携は、すでに両社が結んでいる10年間の提携を拡大したものだが、これにより両社製品の技術統合はさらに強化される。また両社は今後共同でマーケティングや販売活動を行う。さらにMicrosoftのツールを使って、SAP社製ソフトの機能拡張を行うことも可能になる。

 今回の提携は両社にとってメリットがあると、あるアナリストは指摘する。「今回の提携により、SAPはMicrosoftの開発者コミュニティに、SAP用アプリケーションを開発させることが可能になる。これまでSAP用ソフトを開発するのはプロプラエタリなインターフェースの問題があり、それほど容易ではなかった」と、マサチューセッツ州ウォルサムに拠点を置く市場調査会社ZapThinkのアナリスト、Ron Schmelzerは述べている。同氏はまた、Microsoft側のメリットとして、大規模企業に追加ソフトの販売しやすくなることを挙げている。

 Schmelzerによると、MicrosoftとSAPの連携強化によって、WebMethodsなど他の統合ソフトメーカーの市場が脅かされる可能性があるという。この提携強化により、他社製品の必要性が低下するためだ。この点について、WebMethodsにコメントを求めたが、その場では回答を得られなかった。

 今回の提携の背景には、Windowsベースのサーバ上でSAP製ソフトを使用する企業が増えるにつれ、MicrosoftとSAPの関係がより一層重要性を増してきたという事情がある。両社の推計では、現在WindowsサーバにインストールされているSAP製品の数は4万本以上に上り、また新規にインストールされる同社ソフトの3分の2がWindows上でインストールされるという。

 Microsoftの幹部は、今回の提携について、Webサービス技術を強力に後押しするものだと述べている。MicrosoftはWebサービスを過去4年間の戦略の中心に据えてきた。アナリストのなかには、各大手企業は、ソフトウェアメーカーがWebサービスをソフト製品の中で全面的にサポートするようになるまで、Webサービスを最重要ビジネスシステムの主要部分として使用することに二の足を踏んできたと指摘する者もいる。

 Microsoftのサーバ/ツールビジネス部門担当シニアバイスプレジデントEric Rudderは、CNET News.comのインタビューに答え、次のように語った。「今後Webサービスが企業アプリケーションの中心となることに疑念があるとすれば、今回の発表はその疑念を完全に払拭するものだ。今後発売される多くのアプリケーションがWebサービスをサポートするということは、Webサービスの利用促進に向けた大いなる第一歩といえる。」

 明日、世界は・・・

 Microsoftにとって、Webサービスは他企業を提携関係に引き込むための呼び水の意味合いが強くなってきている。同社は今年4月にも、顧客関係管理(CRM)ソフト開発を手掛けるSiebelと、今回と同様の提携を結んだ。Rudderによると、同社はさらなる提携に向け、現在準備を進めているという。

 Rudderは、「我々は今後も引き続き、広範なERP(企業資源計画)/CRMベンダーとの重要な提携を発表していく」と述べ、さらに「年末までに、さらにいくつかの提携を発表できるだろう」と語った。

 今回発表されたMicrosoftとSAPとの提携の効果は、MicrosoftのWindowsおよび.Netインフラソフトには及ぶが、同社独自のビジネスアプリケーションソフト計画には及ばない。

 Microsoftはここ数年、ERP/CRMソフト開発により多くの資金や開発資源を注ぎ込んできた。Microsoftが大規模企業との契約増を目論んでいることから、一部のアナリストは、向こう数年以内にMicrosoftとSAPの競争が激化すると予測している。

 ビジネスアプリケーション市場において、SAPとMicrosoftは、少なくともごくマイナーなレベルで、今後も競争を続けると語るのは、Microsoftのプラットフォーム戦略担当ゼネラルマネジャー、Charles Fitzgeraldだ。「これはプラットフォームに関する提携だ。我々は独自にビジネスソリューション部門を立ち上げる遥か前からSAPと協力してきた」(Fitzgerald)

 Fitzgeraldによると、SAPとMicrosoftの推計では、ビジネスアプリケーション市場で両社が競合する部分はわずか1%にすぎないという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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