2004年の第1四半期のPC出荷台数は、予想をいくぶん上回る伸びを見せ、Dellが市場シェアで首位に返り咲いたことが、調査会社IDCとGartnerの発表した調査データから明らかになった。
同期における全世界でのPC出荷台数は、前年同期比17%増の4130万台に達し、予測値の15%を上回ったとIDCは述べている。法人のPC需要急拡大が、出荷台数の増加に大きく貢献したという。
成長が最も著しかったのは欧州市場で、新たな企業需要と強いユーロが追い風となった。
Gartnerが発表した第1四半期のPC出荷台数は4530万台で、これは前年同期と比較して13.4%増、また2003年第4四半期に比べた場合は6.8%減となる。GartnerのアナリストCharles Smuldersは、2003年第4四半期からの減少について、例年見られる季節的な変動だとしている。IDCとGartnerはそれぞれ別の手法を使って出荷台数を計算するため、両社の数字には若干の開きがある。
世界の2大PCメーカーであるDellとHewlett-Packard(HP)は、2002年5月にHPがCompaq Computerを吸収合併して以降、常に首位の座を争ってきたが、第1四半期にはこの均衡が崩れた。
最新のマーケットシェアは、デルが拡大した法人需要び取り込みに成功したことを物語っている。同社は、従来から自社の牙城としてきたアジアや欧州の市場でも、これまで以上の成長を達成した。その結果、DellはHPより100万台以上も多くPCを出荷したことになり、出荷台数の差はこれまでのどの四半期よりも広がった。
「Dellは絶好調だが、一方HPは失速してしまった。IBMは企業に焦点を当てたビジネスを展開しているので、こちらも健闘するものと予想している」と、IDCのアナリストLoren Loverdeは述べた。
Dellの世界的な出荷台数は28%もの伸びを示し約770万台に達した。IDCによれば、この伸びによってDellは18.6%のシェアを獲得し、首位の座に返り咲いたという(2003年第4四半期はHPがトップだった)。
IDCによれば、HPの出荷台数は、約16%伸びたという。しかしながら、同社のシェアは前年同期の15.7%、2003年第4四半期の16.7%から、15.5%まで落ちている。Gartnerが示した数値でも同様だった。
第3位につけたIBMも好成績を残した。Gartnerによれば、同社は企業向けの販売で利益を上げ、20.2%の成長率を達成したという。
「第1四半期の結果は我々の予想通りだった。日本を除くすべての地域で、前年同期と比べて二桁の成長を遂げている」とSmuldersは述べた。ちなみに日本での出荷台数は前年同期比5.5%増だった。「(17%増という)欧州市場での高い成長率は、ユーロの強さが追い風となって得られたものだ。先進地域では、PCの買い替えが進むだろうとあらかじめ予想していたので、それなりの業績を期待していた。成長率は予測どおりだった」(Smulders)
一方HPは、ノートPCをはじめとする商品の過剰在庫に悩まされ、業績が伸び悩んだ。
「HPが問題を放置せず、解決に向けて努力した点は評価に値する。この点は、HPの業績に貢献したと思う。そのことを加味すると、HPが回復した企業需要をもっとうまく取り込む余地があったかどうかは、判断が難しい」と、Smuldersは述べている。
他のメーカーのランキングも変動した。東芝は前年同期と比較してわずか7%しか出荷台数を伸ばせず、世界のトップ5社から脱落。一方Acerは、出荷台数を35%以上も伸ばし第5位に滑り込んだ。
米国では、Dellが市場シェアで30.3%を占め、出荷台数は23.5%増加した。第2位のHPは、マーケットシェア17.2%、出荷台数11.9%増となっている。Gartnerによれば、米国全体でのPC出荷台数は11.6%の伸びたが、この数値は世界の成長率をわずかながら下回るという。
一方、GatewayはeMachines買収を機に勢いを盛り返すと見られる。Gatewayは米国での出荷台数が17.2%も減少し、シェアは2.7%まで落ち込んだ。これとは対照的に、eMachinesのシェアと出荷台数は、それぞれ3.2%と31.5%ずつ増加した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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