[ニュース解説] Gatewayは、自社よりずっと規模の小さなeMachinesの買収を発表したことで、PC市場における自社の業績が悪化を続けていることを認めたことになった。
家電製品などPC以外も扱っているGatewayは、従業員数や売上高で比較すれば、eMachinesの何倍も大きな企業だが、しかしPC市場で占めるシェアではすでにeMachinesに抜かれている。
Gatewayが、Hewlett-Packard(HP)やDellを相手に悪戦苦闘していた分野で、eMachinesはこれまで成功を収めてきた。Costcoなどの大手小売チェーン向けに低価格デスクトップPCを提供するというニッチ市場にフォーカスしたのが、この成功の理由だ。
Gatewayは米国時間30日に、eMachinesを2億3000万ドル相当の株式と現金で買収すると発表したが、この取引で同社が狙っているのは小売店での販売スペースだ。
ここ数年、PC市場では厳しい時期が続いていたが、非公開企業のeMachinesによると、同社は9四半期連続で売上げ増を達成してきたという。昨年の売上高は40%上昇して10億ドルに達し、出荷台数は200万台となった。
eMachinesの世界販売担当シニアバイスプレジデントのEd Fisherは、「我々は、今日のPC市場において、最も高い成長率と効率性を誇る企業になった」と語った。しかも、同社はそれをたった139人の従業員で達成している。これに比べて、Gatewayには、何度かレイオフを行った後にも関わらず、現在でも7500人の従業員が働いている。
Gatewayの最高経営責任者(CEO)、Ted Waittは、eMachinesを統合することで、PC市場においてHP、Dellに次ぐ「非常に強力なナンバー3」になると述べている。だが、eMachines買収で強化したとしても、規模の大きくなったGatewayには状況が改善したことを証明する仕事がまだ残されている。アナリストらによると、合併後のGatewayが今後数カ月間で成功を収めるためには、新しい経営陣のエネルギーを活用し、最大のリターンを得られるニッチ市場を見出さなくてはならないという。
eMachinesは2001年末に非公開企業になった後、メディアの見出しを飾ることはなくなった。だがこの期間中に、同社は事業を大幅に好転させた。ウォール街からの詮索やプレッシャーがない状態で、同社は事業のやりかたを変え、自社のニッチを利益を生むものにする方法を見つけることに専念した。
同社は、大手小売チェーンの要求を満たすPCをつくり始めたが、同時に、そうした顧客に対して何台PCが欲しいかをしっかりコミットするよう要求し、また返品は受け付けないことにした。
その代わりに、小売店はeMachinesから必要とするモデルを格安で手に入れることができた。
「小売業者の側では、eMachinesのやり方に大満足だ。同社は、約束した製品をきちんと納めている。我々がよく言っていたのは、もしeMachinesが存在していなければ、Wal-MartやBest Buy、Circuit Cityといった小売チェーンは、自ら代わりとなるメーカーをつくり出さなくてはならなかっただろう、ということだ」とNPD Groupのアナリスト、Stephen Bakerは語った。
HPがCompaqを買収したことで、eMachinesの評判はますます高まることとなった。「小売分野では、HP-Compaqに代わる選択肢が必要だと、誰もが認識していた」(Baker)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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