SARSの影響やイラク戦争、そして不透明な経済情勢などにもかかわらず、2003年度第2四半期のPC市場は期待以上の伸びを示した。
調査会社のガートナーによれば、4-6月期におけるPCの出荷台数は、前年同期比で約10%の増加。一方、同業のIDCによると、出荷台数は僅かに緩やかながらも、7.6%上昇したという。
しかし、いずれの調査結果も、両社の予想を超える数値となった。PC出荷台数について、ガートナーは6.4%、IDCでは4.1%の上昇をそれぞれ見込んでいた。なお、両社は同じ製品群を調査対象にしているものの、その方法と情報源は異なるものを使っている。
IDCによると、この四半期には、全体で3320万台のデスクトップPC、ノートPC、x86サーバが出荷された。
米Dell Computerの4-6月期の実績は、ライバルのHewlett-Packardをおよそ50万台上回る出荷台数となり、世界最大のPCメーカーの座を守った。Dellはまた、米国および世界市場におけるシェアを、競合他社をしのぐ勢いで増加させた。
IDCによると、Dellの出荷台数は全世界で28.9%増加し、市場シェアを17.8%に伸ばした。いっぽう、米国内での出荷台数の伸び率は25.6%で、市場全体の8.1%という伸び率を大きく上回り、また市場シェアは31.5%となった。
HPも同様に好成績を収め、全世界での出荷台数は、前年同期比で13.3%増加し、世界市場におけるシェアは16.2%となった。その結果、HPの売上の伸び率も、PC市場全体の伸び率を上回った。HPの成長率は、これまで3四半期連続して、対前年同期比で市場全体の伸び率を下回っていた。HPのPC事業は、Compaq Computerとの合併作業が完了した昨年以降で、初めて年間ベースの売上が増加したことになる。
「DellとHPとは事実上鼻の差で競り合っている状態だ。全体での出荷台数が3300万台を超えているなかでの、僅か50万台強というのは、それくらいの差でしかない」というのは、HPのPersonal Systems Groupでマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるJim McDonnell。「それは、全体で90日ある1四半期のなかで、僅か2日分の出荷台数にも満たない」
また、世界市場では、IBM、富士通シーメンス、東芝の各社がそれぞれ3、4、5位に付けている。なお、米国内の順位は判明していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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