ネバダ州ラスベガス発--これまで何度かPC市場に消極的な姿勢を見せたこともあったIBMが、あらためてデスクトップ/ノートブックの両方でPCの販売に力を入れる姿勢を示した。
IBMは、たとえばハードディスク復旧システムのRapidRestoreなど、自社のPCを使いやすくするための多数のアプリケーションをリリースし、特に成長を続けるラップトップ市場においては、IBMのパソコンを選択するメリットを大々的に宣伝する広告・マーケティング契約で自社の技術を後押ししようとしている。
IBMのパーソナルコンピューティング事業部でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるDeepak Advaniは、米国時間18日、当地で開催中のComdexで行われたインタビューの中で、「パソコンに対する自社の姿勢を一段と明確に示したい」と語った。その1つとして、IBMが自社のマシンに読み込む専用ソフトウェアの動作回数を数えるITマネジャー向けツールの開発案がある。「これで利用回数が分かるようになる」(Advani)
IBMは1980年代前半にビジネス用PCの市場を創りだしたが、ここ数年は厳しい状況が続いていた。PC事業部は1998年に10億ドル近い赤字を計上し、アナリストはこの分野からの撤退を繰り返し勧めていた。
同社最高経営責任者(CEO)のSam Palmisanoは、これまでパソコンのハードウェアビジネスに対して、複雑な思いを抱いてきている。いっぽうでIBMはしっかりとPCビジネスに取り組んでいくと述べながら、もういっぽうでは「ハードウェアの買い替えサイクル」という考えはもはや時代遅れだとの発言を行ったこともある。
米IDCのアナリスト、Roger Kayによると、IBMはPC市場における過去の輝きを取り戻すのに苦労しそうだという。第3四半期には、米Dellと米Hewlett-Packard(HP)が全世界合計のPC出荷数シェアでそれぞれ15.3%および15.1%を確保したのに対し、IBMは5.3%しか確保できなかった。
さらにKayは、IBMではデスクトップよりもノートブックの出荷台数の方が多いと述べている。販売価格はデスクトップPCよりノートブックの方が高いが、PCの売上全体の70%は依然として前者が占めている。Kayの指摘では、米Apple Computerでさえラップトップよりもデスクトップを多く出荷しているという。
2カ月前に、IBMのIntelサーバグループからPCグループに移動してきたAdvaniは、IBMはDellやHPのようにコンシューマー市場には参入しない点を指摘し、この要因を加味してビジネス分野に絞って計算すれば、各社のマーケットシェアは拮抗していると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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