Microsoftと米Yahooとの間で、検索分野における提携の成立が間近に迫っているとの報道も流れる中で、より大規模な両社の提携を模索する上で2008年に重要な役割を果たしたアクティビスト投資家のCarl Icahn氏が、今回伝えられているような提携を支持すると発言した。
現在、およそ5%のYahoo株を保有して、同社取締役に就任しているIcahn氏は、米国時間7月17日に行われたReutersとの電話インタビューにおいて、「Microsoftと検索分野で提携することに関しては、これまで強力な支持を表明してきた。そのシナジー効果のことを考えれば、両社間で提携が結ばれるなら、企業価値の向上というメリットも得られるだろう」と語っている。
All Things Digitalは16日夜、Yusuf Mehdi氏、Satya Nadella氏、Qi Lu氏を始めとする、Microsoftのトップ幹部がシリコンバレーに入り、Yahooとの検索分野での提携を成立させるため、最終段階の交渉を進めていることを伝えた。
これまで数年の間、何度も決裂と再開を繰り返す様子がつぶさに伝えられてきたものの、両社の交渉は「ついに大詰めを迎えた」との報道が流れている。All Things Digitalによれば、1週間以内に提携が成立する可能性も高いという。
とはいえ、Reutersによると、Icahn氏は、今回伝えられているYahooとMicrosoftの交渉に関してコメントすることは控えたとされている。Icahn氏は、Microsoftが綿密に計画を練って、475億ドルでYahooを買収しようとしたものの、2008年11月に失敗に終わった一連の出来事において、中心的な役割を担った人物でもある。
両社が交渉を進める間、Icahn氏は、Yahooの取締役会を制すべく、委任状争奪戦まで繰り広げた。とりわけ、同氏は、当時の同社最高経営責任者(CEO)であったJerry Yang氏の退陣も要求した。最終的には、YahooとIcahn氏は合意に至り、Icahn氏が同社取締役の一員となったほか、取締役会の定員は2人増員され、Icahn氏が選んだ候補者の中から新たな取締役が受け入れられることになった。
MicrosoftによるYahooの全社買収は失敗に終わったものの、MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏と、現在のYahooのCEOであるCarol Bartz氏はともに、検索分野で両社が何らかの提携に至ることには前向きの姿勢を見せていた。
すでに米CNET NewsのIna Friedが指摘しているように、Microsoftの新検索エンジン「Bing」は、なかなか良い評価が得られており、現在同社が何十億ドルものキャッシュを保有していることを考慮に入れるなら、両社が望みさえすれば、正式な提携の実現も近いと考えてよさそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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