カリフォルニア州パロアルト発--Hewlett-Packard(HP)は米国時間9月22日、情報漏えい調査問題の沈静化を狙い、Patricia Dunn氏が同社会長および役員職を即時辞任し、後任は最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏が務めることを発表した。
しかしHurd氏は同日、今回の調査の重要局面について一部認識しており、調査が話し合われた会議にも出席したことも正式に認めた。同氏は、調査内容をまとめたレポートを電子メールで受け取っていたが、目を通していないと語っている。
Hurd氏は、「目を通すことはできたし、そうすべきであった」と語っている。同氏は同時に、調査は必要だったとして、「情報漏えいは自社の評判を大きく傷つけ、効果的な運営に打撃を与えるものだと痛切に感じている。このような状況を詳しく調査することはHP会長としての責務だった」と語った。
Morgan, Lewis & Bockius法律事務所のパートナーで弁護士のMichael J. Holston氏は、このレポートについて「情報漏えい源と、調査に用いられたプリテキスティングなどの手法の要点をまとめたものだった」と語っている。Holston氏によると、このレポートはHurd氏に加え、Dunn氏と、HPの法律顧問Ann Baskins氏にも送信されていたという。
今週行われる議会での公聴会を前に開かれた記者会見では、質問が一切許可されなかった。また、カリフォルニア州検事総長事務局と連邦当局は刑事事件として調査を進めている。
Hurd氏は同日、役員情報漏えい調査問題について説明するとともに、法律事務所のMorgan Lewisに同問題の調査を9月に依頼したことを明らかにした。
Hurd氏は、「かなりの事実が出そろったと考えている。また、Morgan Lewisが明らかにした事実のなかには、困惑するような内容も含まれていると言わざるを得ない」と語っている。
Holston氏は、Baskins氏をはじめとする複数のHP社員が情報漏えい調査に関与したことを詳細に語った。同氏はまた、調査の流れの多くについても正式に認めた。調査は2段階に分かれ、調査会社のSecurity Outsourcing Solutionsをはじめ、複数の外部企業が関与した。
Holston氏によると、Morgan Lewisは100万ページ以上におよぶ書類を集めたという。同事務所が「これらの多くの内容を調査しており、残りについても、できる限り早急に調査するよう最大の努力を払う」と同氏は述べた。
Holston氏は、「調査はまだ完了していない。行うべきことは残っている」と語り、調査をさらに進めることを約束した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」