組み込み機器向けのブラウザ「NetFront」などを手がけるACCESSは9月9日、Palm OSを開発する米PalmSourceを12月をめどに買収すると発表した。ACCESSは、同社の完全子会社である米Apollo Merger Subを、PalmSourceに吸収合併させる。これにより、PalmSourceは、実質的にACCESSの完全子会社になる。
Apollo Merger Subは、米国に資本金1ドルで9月2日に設立された合併の準備会社だ。今回の合併のために設立された会社なのか、またPalmSourceを合併する経緯などについてACCESS広報では、「いっさい聞いてないので何もわからないし、答えられない」としている。
合併は、米国における現金合併方式を採用し、合併する際にはPalmSourceの株主に対して、保有株式の対価としてACCESSが現金を支払う。これにより、全株式をACCESSが取得するわけだが、ストックオプションを考慮した必要総額は約358億円かかる。
PalmSourceは、携帯機器向け組み込みOSであるPalm OSの開発やライセンスを提供している米ソフトウェア開発会社だ。Palm OSは、現在までにPalm製のPDAやSony製のPDA「CLIE」、Samsung、京セラなどにライセンス提供されている。Palm OSを搭載した端末の出荷台数は3900万台だという。また、PalmSourceは、2005年1月のChina MobileSoftの買収を通じて、携帯電話向けのLinux技術を獲得し、現在LinuxベースのPalm OSを開発している。
ACCESSは、こうしたPalmSourceが有する技術を取り込み、携帯電話向けアプリケーションの拡充を図る。加えて、China MobileSoftの開発チーム約200名は、ACCESSの中国リソースの強化と、今後のLinuxベースのソフトウエア開発の一端を担っていく。
なお、米NASDAQ市場における9月8日のPalmSource株価の終値は、前日比0.05ドル安(0.49安)の10.09ドルだったが、アフターマーケットでは終値に比べて0.21ドル高(2.08%高)の10.30ドルと上昇している。時価総額は約1億6960万ドル(約187億円)。ACCESSの東証マザーズにおける9月9日の株価終値は、前日比7万円高(2.55%高)の281万円と高い。時価総額は約3068億円。
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