PalmSourceのCEOで、社長とディレクターも兼任していたDavid Nagelが職を辞した。ハンドヘルド端末向けのオペレーティングシステム(OS)である「Palm OS」を開発する同社は現在苦境にあり、ここ数カ月間で複数の幹部人事異動を行っている。Nagelの辞任もそうした動きの一環である。
Nagelは米国時間22日に辞職した。同氏の後任には、PalmSourceのワールドワイドライセンシング&セールス部門でバイスプレジデントを務めていたPatrick McVeighが就いた。McVeighの地位は、PalmSourceが正式なCEOを探す間の暫定的なものであるという。また同社は米国時間23日、Nagelが6月半ばまで会社顧問として残留し、引継業務に当たることを発表した。
PalmSourceは、Nagel辞任の理由についてコメントを避けている。あるアナリストは、同社の業績が原因だとしている。
Fulcrum Global PartnersのJamie Friedmanは、「Nagelはウォール街から軽んじられていた。電話端末用のソフトウェアはまだ発達の初期段階にある。そのため、PalmSourceが今後、これまで以上の業績を上げられるようになる可能性は高い。優良なマーケットであるだけに、PalmSourceがそれを活用できていないのは残念だ」と述べている。
一方でFriedmanは、PalmSourceが先ごろ敢行した幹部の人事異動は、同社の改革に大きく貢献したとして評価している。
モバイルコミュニケーションデバイス向けの次世代オーディオ/スピーチ技術を開発するAliphでCEOを務めていたMcVeighは、2005年2月にPalmSourceに入社した。McVeighは以前、Palmでワールドワイドマーケティング/セールス/オペレーションを統括していたこともある。Palmは、2003年10月にOS部門のPalmSourceを分離独立させた後、自身も社名をpalmOneに変更している。
「McVeighは、PalmSourceの収入を安定させ、ライセンシング事業を拡大させようと努めてきた人物だ。かたやNagelは、つい最近までPDA市場にだけ専心しており、多機能電話市場をおろそかにしていた。今でこそ同市場へ重点を置くようになっているが、PalmSourceの取締役会はNagelの判断の遅れに不満を持ったのだろう」(Friedman)
PalmSourceはまた2月末に、Al Woodの後任としてJeanne SeeleyをCFOに据えた。Woodは2004年末に同社を去っている。
さらに2004年11月、ベンチャーキャピタル企業Allegis CapitalのゼネラルパートナーであったJean-Louis Gasseeが、PalmSourceの新会長に任命された。Gasseeの前任者であるEric Benhamouは、引き続きpalmOneの会長を務めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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