PCの世界では、タブ機能を備えたウェブブラウザが勢力を伸ばしている。この流れは、どうやら携帯電話にまで及び始めたようだ。
携帯電話からPC用サイトが見られるフルブラウザを提供するユビキタスエンターテインメントとjig.jpは8月8日、それぞれタブを利用して複数のウェブページを同時に開けるタブブラウザ機能をフルブラウザアプリに追加した。ユビキタスエンターテインメントは「サイトスニーカー」正式版を、jig.jpはjigブラウザのバージョン5.0.0をリリースする。
サイトスニーカー正式版ではページ上部に3つのタブが登場した。それぞれ
数字キーの「*」「0」「#」が割り当てられている |
サイトスニーカー正式版では、最大3つのページを同時に開ける。3つのタブが用意されており、数字キーの「*」「0」「#」でタブを切り替える。ただしリンク先を新しいタブで開くという機能はなく、タブを切り替えてからページを読み込む必要がある。
新たに待ち受けアプリとしても使用できるようになったため、例えば行きたい店舗の地図や電話番号のページをそれぞれ開いた上で待ち受け画面に表示して、電話をかけるといったこともできるようになった。
正式版の配布は同日午後8時8分より開始する。対応端末はNTTドコモのmova 505i/506iシリーズ、FOMA 700i/900i/901i/2102シリーズ。なお、movaの場合はタブブラウザ機能に制限がある。利用料金は無料だ。
サイトスニーカー正式版ではこのほか、二次元バーコードのQRコードを読み込んだり、PCで見ているサイトをQRコード化して携帯電話に転送する機能や、閲覧中のサイトのURLをQRコード化する機能も備えた。PCの場合はブックマークレットを利用してQRコードを生成する。同社では現在この機能に関して特許を出願している。「便利な機能ほど他社にまねされやすいため、特許を出願することに決めた」(同社代表取締役社長兼CEOの清水亮氏)
jigブラウザの場合、メニュー一覧の左端に、タブを開く項目ができた(上)。操作画面の「新タスクで開く」という項目を選ぶとリンク先を別ページで開ける(下)
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jigブラウザのバージョン5.0.0の場合、開くタブの数に制限はなく、いくつものページを同時に開ける。ただし、データ量が端末のメモリの制限を超えた場合は、画像データのみデータを再度読み込む必要がある。画像を非表示に設定しておけば、タブを切り替えてもデータの読み込みは発生しない。また、リンク先を新しいページで開くこともできる。
タブブラウザ機能が利用できるのは、NTTドコモのFOMA900i/901iシリーズおよびKDDIのau端末向けの100Kバイト版のみとなっている。jig.jpでは「jigブラウザがタブブラウザ化したことにより、フルブラウザの技術がパソコン向けのブラウザにより近づいた事になる」とした上で、「将来的には1つのアプリの中で、ブラウザだけでなくメーラーやスケジューラーなどの機能がタブ切り替えで利用できるようにしたい」としている。
PCのブラウザの世界では現在、タブ機能を標準搭載したOperaやFirefoxが人気を集めている。この勢いに押され、Microsoftはついに次期バージョンのIE 7でタブに対応すると表明したほどだ(関連記事)。さらにIE 7が登場するまでの間にユーザーがほかのタブブラウザに流れるのを防ごうと、IE 6でも「MSN Search Toolbar」というアドオンによってタブ機能が利用できるようにしている。
携帯電話に搭載されたフルブラウザでは、ドコモのN901iSがタブ機能を実装している。なお、N901iSのフルブラウザはACCESSのNetFrontを採用している。
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