モバイル機器向けのオペレーティングシステム(OS)を開発するPalmSourceは米国時間8日、China MobileSoftを買収する契約に合意したと発表した。
China MobileSoft(本社:南京)は、携帯電話機用のソフトウェアを開発し、またモバイル機器で使われるLinuxの開発も手がけてきている。PalmSourceは、この買収により中国での拠点を確保するとともに、Linux市場への製品拡大も可能になるとしている。
PalmSourceの幹部らは、同社が今後Palm OSのLinux版を開発し、急速に拡大するモバイル機器市場でのアプリケーション需要に応えたいと述べた。また同社は2008年までに、全世界のモバイル機器出荷台数が年間8億台に達し、そのうち2億5000万台がいわゆるスマートフォンになるとする調査結果を引用した。
PalmSource関係者によると、China MobileSoft(CMS)にはおよそ160人の従業員が在籍し、うち150人はソフトウェアエンジニアだという。また、このうち何人がLinux製品の開発に関わっているかは明らかにされなかった。
この合意に基づき、PalmSourceは157万株の自社株を発行し、CMSの発行済み株式と交換することになる。この合併成立にはCMS側の株主の承認を必要とするが、両社は2月末までには契約を正式に締結できると見込んでいる。なお、PalmSourceの株価は8日午前中に14.25ドルで取り引きされていた。
PalmSourceは、このCMS買収を発表した会見のなかで、Palm OS for Linuxの開発計画も明らかにした。Palm OS for Linuxは同社がモバイル機器用に開発を進めるオープンソースのOSだ。同社では、Palm OS Cobaltの今後のバージョンを、Linux上で動くソフトウェアレイヤとして提供する計画だとしており、特にLinuxカーネルやモバイル機器に適した一部のLinuxサービス上で動くものにするという。しかし、同社はこれまでに何度も自社の商用製品のソースコードは一般には公開しないと述べていた。
PalmSourceのMike Kelly(エンジニアリング担当バイスプレジデント)は、CNET News.com宛の電子メールのなかで、同社のLinux計画の詳細を説明したが、このなかにはオープンソースコミュニティの活発なメンバーになる意図も含まれていた。
Kellyは、PalmSourceにはPalm OSのプログラムコードを公開する計画がないことを繰り返したものの、同社がほかにもEclipseのような他の分野でオープンソースプロジェクトに参加している点も強調した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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