低価格化と無線接続機能によって、PDA市場が息を吹き返しており、今年の売上はいまのところ、過去最高を記録した2001年のペースを上回っている。
Gartnerの調査によると、過去3カ月間に全世界で出荷されたPDAの台数は、前年同期比32%増となる360万台に上ったという。PDA市場は現在、2005年末までに1500万台を出荷するペースで推移しているが、この数字が達成できれば、年間1320万台を記録した2001年の数字を塗り替えることになると、同社のアナリストは述べている。
また同社の調査から、出張の多いビジネスユーザーがWindows CEを好んでいることも明らかになった。2005年第2四半期におけるWindows CEの市場シェアは46%で、その後にRIM(同23.2%)とPalmSource(同18.8%)の両者が続いた。
「無線機能付きのPDAは、ノートPCを補完したり、あるいはそれに置き換わるものとの見方が広がっている。一方、ユーロ高のおかげでPDAを魅力的な価格で購入できるようになった欧州人が増加した」とGartnerアナリストのTodd Kortは説明している。
この数字には、「Treo 650」や「BlackBerry 7100」などのスマートフォンは含まれないが、「iPAQ 6315」や「Nokia 9300」といった無線機能付きPDAは含まれている。
ハードウェア別に見ると、RIMのBlackBerryの人気が最も高く、第2四半期における同機種の出荷台数は前年同期比64.7%増の84万台となった。RIMは23.2%の市場シェアを確保して引き続き他社をリードしており、これに続くPalmのシェアは17.8%だった。一方、DellとHewlett-Packardのシェアは減少を続けており、T-Mobileの「Sidekick II」と「Pocket PC Phone Edition」を搭載する機器が、Dellを押しのけてトップ5に食い込んだ。
DellとHPは、それぞれの製品ラインを2005年下期に刷新することになっている。
地域別に見ると、西欧市場における出荷台数は94%増加し、合計で130万台となった。世界全体に占める同地域の割合は、前年同期の25%から37%へと増加している。米国内でのPDA出荷台数は前年同期比1.3%増の140万台となった。Gartnerは米国市場の低迷の原因について、Palm OSを搭載するPDAの出荷台数が減り続けている点とMicrosoft製OSを搭載する製品ラインが古くなっている点を挙げた。なお、アジア太平洋地域の出荷台数は24.7%増の約40万2000台だった。
このPDAに関する明るい見通しは、調査会社のIDCが先週発表した同種のレポートの内容と大きく食い違っている。IDCでは、PDAの出荷台数が第2四半期に170万台まで落ち込んだとしていた。この数字は前期比で24.9%減、前年同期比で20.8%減にあたる。
Forrester Researchのアナリスト、Charles Golvinによると、PDAメーカーにとっての最大の問題は、既存顧客による買い換えが新規購入を上回っていることだという。なお、Forrester Researchでは四半期ベースの売上/出荷台数情報を発表していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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